インバウンドは邪魔!対策は非効率!と追い返す前に考えてみたいこと -『外国人にパチンコ教える人』のパチンコインバウンド講座-

皆さま本年も宜しくお願いします。
Global Pachinko株式会社の長北(https://x.com/global_pachinko)でございます。

たまには少し真面目というか本業に関連する内容を書いてみようかと思います。

訪日客とどう付き合うべきか?

昨年一年かけてホール関係者さまと『外国人、どうする?』というお話をさせていただいておりましたところ、上層部の方になればなるほど『積極的に受け入れたい』、逆に現場に近づくにつれ『懐疑的』、『コストとリターンが合っていない』というお声が多い結果となりました。

まぁ実際、パチンコツアーの経験からのコメントをさせていただくと、現場のスタッフが外国人に対してパチンコを教えるなんて、そりゃ無理でしょうね・・・。というのが本音だったりします。

なんせツアーにおいては店内ルールから始まって台選択、パチンコのルールから機械のスペックや特性といったところを理解してもらうのに15-30分程度はかけているわけで、それを現場スタッフがやろうとすると、それなりの工数となってしまいます。

毎度30分かけるとは言わずとも、『パチンコとは中央の穴に玉を入れて大当たりを抽選、大当たりの確率は319分の1でハンドルを捻って玉を飛ばして・・・』というところを全部説明しようとすると、5分程度は拘束されてしまうため、翻訳アプリを使えばいいという問題でもないのかなと。

であれば考えなければいけないのは、前回お話させて頂いた『初心者にパチンコを教える勘所』というのを抑えつつ、『手間をかけずに』訪日客を教育する、受け入れるという方法になります。

具体的には店内に『パチンコの遊び方』だけでなく、『パチンコの魅力』を伝えるための掲示物から始めて、各機種のスペック表や、FAQ集なんかも用意する必要があるかもしれません。

それらを見える化するため、ツアー内でよく聞かれる質問を基に店内に掲載しなければならない内容としてまとめると

【パチンコの遊び方】
・大当たりの抽選方式
・どうやって玉を増やすか
・ハンドルの握り方(アースに触れる、むやみに動かさない等)

【パチスロの遊び方】
・メダルの入れ方
・レバーの叩き方
・ボタンの押し方(基本的には左から止める等)
・AT機とボーナス機の違い

【店内ルール】
・店内で飲食してもいいのか?
・座ってもいい台、座ってはいけない台は?
・景品交換の方法は?
・営業時間は?

【楽しみ方】
・おすすめの機種は?何を打ったらいい?
・どのくらいの時間を見込んだらいいか?
・幾らぐらい用意したらいいか?
・何を楽しみに打つのか?

と、ざっとまとめただけでこのくらいのボリュームがあるわけです。

ちなみに、先般行われたみんなのパチンコフェスティバル内、インバウンドブースのスタッフ向けにこういった内容をまとめたマニュアルを作成、配布したのですが、総ボリュームとして、ざっくり40ページほどとなりました。担当業務ごとにトークスクリプトを用意したこともあるので、ひとチームについては20ページ程度になるかと思います。

20ページに及ぶ内容を準備なしに説明しろ、というのは外国語のできる・できないにかかわらず、無理筋です。

こういった設備面の努力は店舗の努力だけでなく各メーカーさんや各組合さんの協力も不可欠にはなると思うんですが、店舗さんベースで検討できそうな方法をちょっとだけ挙げてみると

【学習エリアの設置】
「この場所でパチンコを学んでね」という意図のほか、「観光施設っぽさを出す」「うろうろされる事で既存のお客様への迷惑を最小化」というところで効果的かと。

【視覚的な教育プログラム】
例えば「パチンコ打ってみた動画」なんかを店舗内で流すということですね。「ちょっとしたパンフレット」も良いですが、前述した情報量を伝えるには役不足な点があります。上記のエリア内でもう少し情報を纏める努力も必要かなと思います。

【地域コミュニティとの連携】
これは店舗さんならではの施策になります。インバウンド集客に成功している他業種店舗と連携するもよし、逆に苦戦している業態と相互補助の形にするもよし。パチンコの遊技方法なんかを記載した、地域の観光マップを制作して、地域の居酒屋さんに配布するなんて面白いかもしれません。

インバウンドは邪魔!と乱暴に跳ね返すのではなく、適切に準備を進めて、しっかり受け入れられるといいですね。

本日は以上です。ありがとうございました。