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時代を象徴するバディの存在があります。
1972年、愛のスカイラインでスポーツ車旋風を巻き起こしたケン&メリー。
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1982年、愛の気まぐれから多くを救ったヒロシ&キーボー。
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1966年、愛の力で世界を平和へ導いたジョン&ヨーコ
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バディであることで生まれる愛の相乗効果が与える力は過去の歴史が証明しています。
パチンコ業界に登場した新たなバディ
2025年、パチンコ高収益時代を支えるであろうスバル&ミサオのバディが登場しました。
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導入からの【稼働率日毎推移】をメディアシステムのエンタープライズ提供資料から確認しましょう。
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機械台の評価ポイントは様々あるのでしょうが、理想的な状態を定義すると「人気が落ちずに、益々高まる状態」と言えるのではないでしょうか。
ケン&メリーであれば走るほどに愛着が増す状態、ヒロシ&キーボーであれば浮気をするたびに絆が深まる、ジョン&ヨーコであればベッドインするほどに平和が広がる状態と言えるでしょう。
打つほどに愛が深まる状態をこの稼働率帳票からくみ取るなら「時間経過とともに稼働率が上がっているか」をチェックすればいいでしょう。
番長漢の頂は導入(月曜日)~4日目(木曜日)の間に稼働率の凹みが見当たりません。
4日連続稼働率上昇は近々の機械では、エヴァ咆哮、リゼロ鬼、リゼロ2が該当し、機械特性が異なるエヴァ咆哮を除けば番長漢を超える推移を示したのはリゼロだけとなります。
人気の持続性は先週対比で確認しましょう。
1/8(水曜日)の稼働率は76.4%、1/15(水曜日)の稼働率は74.6%ですから低下率は98%です。リゼロ2は95%、リゼロ鬼は77%でしたから安定感ではリゼロを凌いでいます。
導入台数が10,000台未満と少ない点は考慮すべきですが、番長漢は絶好のスタートを切り、大都のパチンコ看板機種であるリゼロ2との絶好のバディが生まれた瞬間と言えるでしょう。
バディによる相乗効果
キャラクターの違うバディは時に大きな力を発揮します。
ケンは広大な海を愛する力強いキャラクターであり、メリーは奥深い山を愛するしとやかなキャラクターです。
ヒロシは言葉巧みに女を口説く情熱的な陽キャに対して、キーボーは渾身的でありながら厳しさを持ち合わせた凛とした女性です。
ジョンはポピュラリティの世界的なアイコニックな存在であり、ヨーコは前衛的で大衆に迎合しない孤高のアーティストです。
番長漢の4号機吉宗を彷彿させる高TYの破壊力と、総合力に富んだリゼロ2は異なる個性の強固なバディです。
異なる個性のバディは互いの放つ強みと強みによって弱みを無力化します。
異なる個性のバディは多様な顧客の多様な心を鷲掴みにすることが可能です。
パチンコ業界におけるバディと言えば、三共はスロマックスのコンプリート性能に優れたからくり×3000枚前後の塊性能に優れたかぐや様の強烈なバディが挙げられます。
山佐は勝率性能に優れたモンキーターン×勝金性能に優れたゴッドイーターというバディが存在します。
今年はスマスロ北斗×北斗転生がバディを形成出来るのかに注目が集まりますが、サミーの歴史においてバディ形成した記憶がありません。これはエヴァも同様ですね。これは新台投入の目的を旧機種の陳腐化に設定するか、バディ形成を狙うか、メーカーの販売戦略も大いに関係するでしょう。
販売台数の最大化を狙うには、旧機種の陳腐化が最も適しているのは言うまでもありません。エヴァ咆哮をシンエヴァで陳腐化し8万台のマーケットをひっくり返す。これが最もメーカーが儲かる方法です。しかしホールは定期的に修繕的な投資を迫られることになり収益性は上がりません。バディ形成は集客可能な固定島を伸ばすことに直結し、ファン形成と収益強化を強烈にバックアップします。
斜陽産業かつコロナ回復というプラス要素が出尽くした業界においてバディによる相乗効果は市場競争力のアップと収益体質のアップという相乗効果が期待できるのです。
番長漢の潜在ポテンシャルはどの程度か
機械台のポテンシャルを全国データやエンタープライズの平均指標で判断する方法が一般的です。
が、もう少しマニアックな視点で掘り下げてみましょう。
平均データ=個店データの集合体です。
個店データをセグメント(分類)し、様々角度から分析することをデータマイニングと言います。
マイニングとは採掘です。採掘の目的は勿論、儲ける為です。
分析を進めるにあたり目的を再確認すること、目的を達成する為の意思決定に拘ること。
これはとても重要なポイントですので、常に意識していきましょう。素晴らしいコンピューターやクラウド開発が進んでいますが、目的達成への意思決定が生まれない時間は全て浪費になってしまいます。気をつけましょう。
番長漢のポテンシャルをはかる方法は、顧客の声、顧客の行動分析(遊技時間・リピートなど)、もうひとつ顧客の行動分析(所作・表情)、ホールコンのデータ解析、マクロの業績分析・比較、マクロの客数分析・比較などいくつもあります。
今回は店舗導入台数別というセグメントで特徴を把握していきましょう。
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番長漢の最強のライバルであり、最愛のバディであるリゼロとの比較をしてみましょう。
リゼロ2が番長漢の2倍近い導入があるのですが、未導入店舗の数は番長漢が2,300店舗、リゼロ2が2,300店舗とほぼ同数です。この事実から2つの考察が出来ます。一つは業界には定期的に新台購買が可能なパチンコ店は3,000軒にも満たない事実。そして番長漢は8,000台という限られた台数であっても2,300店舗に満遍なく入れたという事実です。これは個人的には非常に興味を引く事象です。
機械力を可視化する一般的な方法は全国データの指標をどれだけ高く維持するか。です。
それを意識した生産台数調整や導入店舗の選定などは各メーカーのマーケティング活動として行われています。
機械力=全国データ指標とした場合、番長漢の機械供給には不可思議な点があります。全国データの最大化を重視するならば、至極単純な戦略ですが、稼働率が上がりにくい下位店舗への導入を渋り、上位店舗への供給を増やせばいいのです。
上記表で確認できるのですが、一台導入店(競争力がない店舗と想定される)の稼働率は番長漢が67%に対してリゼロ2は73%です。10台以上導入店(トップ店舗と想定される)の稼働率は番長漢が89%に対してリゼロ2は87%です。
注目するのは番長漢の1台導入店が1,067店舗(1,067台)に対し、リゼロ2は403店舗(403台)でしかないこと。総販売台数の違いを考慮しても番長漢は下位店舗を絞り、上位店舗に寄せるだけでリゼロを凌ぐ全国データを出すことは可能だったということになります。
導入店舗の見直しにより全国データはリゼロ以上の数値を叩けるという事実を番長の潜在ポテンシャルとして評価するならば、皆さんはどのような評価を下すでしょうか。
そして大都はなぜ最大パフォーマンスをとることを選択しなかったのでしょうか。
妄想が止まりません。
20,000台以上の大量販売の恩恵は誰が得られるのか?
多台数導入の恩恵は先行機種の陳腐化と機械台ライフサイクルの短命化による機械販売量の増加です。次々に話題性と集客効果の高いコンテンツを出す、もしくはメーカーの垣根を超えて機械供給をし続けることよって業界の機械台購買量は上がります。計画的な陳腐化は成長期における基本戦略です。
では衰退期における大規模導入と陳腐戦略はなにをもたらすのでしょうか。
SANKYOの直近の代表機種であるからくりとシンフォギアの傾向を見てましょう。
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大都の限定的な機械販売とSANKYOのニーズに完全適応する大量販売では下位店舗の稼働率が20%以上異なります。初動にて20%の格差(10,000稼働=台粗利で4000円程度)があり、稼働低下速度も速いとなれば累計粗利はかなりの格差が開きます。
しかし下位店舗の業績が機械台のポテンシャルを表しているかというと下位店舗の稼働率が50%のカラクリサーカスはLT機を代表する名機であることから異なることは明白です。
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導入台数店舗別の支持率を検証すると、SANKYO型の導入恩恵を受ける店舗は地域のトップ店舗であり、大都型の導入恩恵を受ける店舗は小台数の下位店舗であることが分かります。
店舗力と資本力をベースに競争力を向上させ、競争ポジションを更に引き上げる為にはSANKYO型の販売戦略が好都合なのです。
ステレオタイプに善悪を決めるのではなく、それぞれの店舗に必要なバディは誰なのか。共に未来を創る為に必要なパートナーは誰なのか。ビジョンと思想を持たずして、大量浪費の斜陽産業の中で生き抜くことは出来ないのではないでしょうか。
チーム友達
機械や儲けを中心とした関係ではバディどころか、やるかやられるかの殺伐とした関係しか生みません。今の彼女より活かした女がいればアタックしていくことも楽しい時期はあります。
傷つき、傷つけられる中で、最終的に周りに残った人々こそが友達であり、バディになります。
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2021年に突如として引退したラッパーKOHHは2024年に千葉雄基として「チーム友達」を引っ提げて復活を遂げました。千葉雄基は「チーム友達」の中で、契り、契り、契り、契ろう、契ろう、契ろうとリリックを残しています。
もの契りとは極道のドラマで描かれるようなサカヅキのようなものでなく、価値観や痛みを分かち合うことが出来る愛のようものだと私は理解しています。
またアーティスト名がKOHHだった時代の名曲John and Yokoでは素敵なバディの姿が赤裸々に綴られています。
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高消費の斜陽産業の中で、必要なバディとはなにか。
ぜひ考えてみてください。
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この記事を書いた人
ノンブル・マーケティング代表
斎藤 晃一 Koichi Saito
大手ホール企業で培った分析・マーケティング力を武器に、出店や既存店強化などを支援する