「パチスロの開発」
と聞いて、皆さんどんな人間の集まりを想像しますかね?
「こんなクソ台作りやがって!これ開発したやつパチスロ打ったことねーだろ!?」
「何でここでこれ引いて当たらねーんだよ?開発者頭湧いてんじゃねーのか?」
なんて温かいご指摘をよく拝見しますが・・・
安心してください。
実戦上、開発者の9割以上が生粋のスロキチです。
少なくとも、開発の中核となる企画職において自分が接してきた中では、
・スロット打たない
・パチスロ好きじゃない
という開発者は1人もいません。
そりゃそうですよ、一日中パチスロのこと頭に浮かべて仕様とか演出考えるんですもの
好きじゃなきゃこんな仕事やってられません!
仕事が落ち着いてる時は定時で上がってパチンコ店へ
休みは朝からパチンコ店へ
何なら仕事中にも隙があればパチンコ店へ
会社内での会話は あの新台が面白いとかこの機種で●万負けたとかそんなんばっか
研究費研究費やら市場調査費という名目で軍資金を出してくれる素敵な開発会社さんもあるようですよ。
そうやって日々、ホール様に身を置いて実際の市場の状況を見て肌で感じて、開発・企画に活かすようにしている開発者がほとんどだろうなーと思います。
メーカーはみんなホールに長く使ってもらえる・プレイヤーに支持される機械をリリースしたいと思ってるし、それは開発者も一緒。
クソ台を作ろう!という気持ちで開発してる開発者なんているわけないんですよね・・
では、なぜクソ台が生まれてしまうのか?
それが分かったらみんな苦労しないわけですが、開発のお仕事の流れの中で、この辺が要因だろうなと思うところを主観で書いてみようと思います。
※会社によって進め方は様々だと思うのであくまで一例ということで。
ほんとは開発工程ってもっと細かく色々あるんですが、大きく3つに分けてみます。
①企画段階
まずは、どんな機械にしようかな、どの辺の層を狙っていこうかなという方針を定める、制作の準備期間です。
ここから機械がリリースされるのは2〜3年後。
その時の流行やマーケットの状況を予測して方針を定める必要があるわけです。
ここがまず相当に難しい。
特に最近は内規の自主規制・緩和の動きが激しいので正確に予想するのは不可能に近い…
ですので、一旦は現時点で方針を定め、作りながら変更をかけていくことになります。
②制作段階
詳細を固めた企画内容を元に、メイン・サブ・液晶など各セクションで制作に入っていきます。
一旦仮組みのα版が打てるようになるまで約3〜4ヶ月。
α版を試打してβ版に向けてどう調整・修正するかをまとめますが、オンスケで完了させるには大きな変更はここがデッド!
β版では各種データや液晶映像の本素材の制作を行いますので、根本から覆すような巻き戻りは出来なくなります。
慎重に仕様変更や追加を検討するわけですが…
この時点で、販売まで一年ほどあります。
今この機種がすげー稼働してる!この仕様に変えよう!
と方向転換したりする訳ですが、いざ販売する時には既に同じ仕様の機械があふれていたり既に下火になってたり。
後追いで人の真似しても、なかなか先人を超える面白さを搭載したものに仕上げるのは難しいですよね。というのは皆様も承知の事実かと思います。
③最終調整段階
β版で試打を行なって問題がなければ最終調整をして申請準備に進みます。
とはいえなかなかすんなりはいかず、少しでもクオリティを上げようと最後のブラッシュアップを試みるのですが…
ここで無理矢理大きな変更を入れることが割と多いです。
メイン仕様や出玉に大きく手を入れると、サブや液晶とのズレ・歪みが生じる。また、残り期間も少ないので調整が不十分なままタイムアップになってしまうケースも。
個人的には、ここが一番クソ台が生まれてしまう要因だと思ってます。
最初に掲げた方針を目指して2年間作り込んだ機械と、最後の2〜3ヶ月で方向転換して不十分な調整を施した付け焼き刃の機械。
そりゃ前者の方が面白いものになる可能性が高いよな〜と思うわけです。
もちろん一概には言えませんが、クソ台が生まれないようにするには
初志貫徹!
最初に掲げた方針から主軸はブレないように!
これが最も大事なことだろうと思ってます。(あくまで個人の主観です^^;
ホール様やプレイヤーさんからは見えづらいと思いますが、稼働する機械・面白い機械を見極める要素の一つとして参考になれば幸いです。
底辺開発者の戯言かつ長文で失礼しました。
では、今日もパチンコ店へと向かいます。