パチスロ開発のスペシャリスト達のお仕事紹介シリーズ。
今回はおそらく皆様が一番興味がある?であろう【出玉設計】のご紹介です!
仕様・ゲーム性やリール制御と同様に遊技機の中でも非常に重要度の高いセクションであることはご理解いただけるかと思いますが、それが故に業務内容の機密性が非常に高く、各社のノウハウや技術力がリリースされる機械のクオリティにダイレクトに影響してきます。
ということで具体的なお仕事の内容を詳しくご紹介することは出来ないのですが、出玉設計において大事な要素やどんなことを考えているかといったことをお伝え出来ればと思います。
深い規則理解度と遊技機知識
開発中プロジェクトの出玉設計や他社さんの機械の分析・解析をするにあたり、深い規則理解は必須です。
出玉面だけでなく、役物関連・再遊技関連・リール制御関連・メインプログラム関連など、メイン仕様に関わる規則については全て熟知している必要があります。
規則や内規の変更の影響を大きく受ける部分ですので、行政の動向に常にアンテナを張り、最新の情報も把握しておくべきです。
また、自分が開発に携わっている機械だけでなく幅広い機械の知識も持ち合わせている必要があります。
出玉設計のメンバーと打ち合わせしていて、
「例えばあの機種のこの仕様みたいに・・・」とか「あの機種ぐらいの出玉バランスで・・・」と伝えるともれなくそれに即した回答が返ってきます。
新たな仕様やスペックを生み出すには、過去の歴史と現在の市場状況をしっかり認識するのが第一歩ですね。
数学の基礎学力と遊技機設計への応用
これはご想像通りかなと思いますが、数字や確率を扱う職種ですので数学の基礎学力はあるに越したことはありません。
行列や標準偏差など幅広い見識があれば役立つことも多いでしょう。
ただ、その知識と学力を遊技機の設計に活かす応用力も不可欠です。
仕様が固まってからの出玉計算や実機組込後のバランス調整はもちろん、序盤の企画草案の段階で、こういう仕様にすればこんな出玉バランスになる、こういう数値の振り方をするとこんなところに問題が起こる、といった形で完成形をイメージした上で考察・検証してゲーム性の骨子を固めていく必要があります。
プログラミングに関する知識と経験
出玉設計は特にメインプログラムとの関連が深いです。
メインプログラムの限られた容量の中で、レバーや停止・払出といった基本動作から、フラグ抽選・出玉抽選やリール制御・停止データまでおさめなくてはなりません。
どういう抽選テーブルやデータの持ち方をすれば容量をおさえながらも、やりたい出玉仕様が実現出来るのか、配慮して設計をしていく技術が必要です。
知識というよりは経験を積むことで向上していく部分ですね。
また昨今のAT機は仕様が複雑化しており、出玉率等の各種数値を理論値で算出することが困難なケースが多いです。
出玉設計担当がシミュレーターやエミュレーターを作成し出玉調整をする形が主流となってきておりますので、自分でプログラムが組めるスキルも持っていた方が良いですね。
ゲーム仕様・演出に対する理解と連携
開発の流れとして
出玉仕様・スペックありきでゲーム性・遊び方や演出を肉付けしていく
という形が多いですが、逆に
こういうゲーム性・演出をやりたいから出玉仕様をそれに合わせて構築する
という形で進めることも多々あります。
仕様や演出を理解した上で出玉を組んでいくことが求められますし、メイン企画や映像企画などと密に連携を取って進めることが重要です。
ということで今回は出玉設計のご紹介でした。
基本的に理系色の強いセクションですが、柔軟な発想やコミュニケーション能力も必要で、遊技機の中でも非常に重要な役割を担っているということもあり、少数精鋭の部隊で開発されているメーカーさん・開発会社さんが多いかなと思います。
時代は変われどパチスロで大事なのは出玉。
その時々で最高のスペックの機械をリリース出来るよう日々努力しております。
今後もご期待いただければと思います。