2024年の振り返りと2025年の展望 -とある開発者の独り言-

新年明けましておめでとうございます。
2024年もあっという間だったと感じておりますが、皆様にとってはどんな一年だったでしょうか。
今回は、一開発者個人の目線から簡単に2024年を振り返り、今年の展望・予想をまとめたいと思います。年始のお忙しい時期かと思いますが、さらっと流し読みいただけましたら幸いです。

市場全体の動向

市場全体の動向について、具体的な様々な数値は各メディア様から公表されてくるかと思いますので、ここでは販売台数、稼働、玉単価・コイン単価について概要だけまとめたいと思います。一年通じての数字を前年と比較すると、概ね以下のような動向であったのかなというのが自分の所感です。
 ・販売台数 
   パチンコ ⤵️減少 パチスロ ⤴️ 増加
 ・平均稼働
   パチンコ ⤵️減少 パチスロ ⤵️ 微減
 ・玉単価、コイン単価
   パチンコ ⤴️上昇 パチスロ ⤴️ 上昇


スマスロの好スタートを受けて多くのメーカーがパチスロに重きを置いた開発体制にシフトした結果が、パチスロの販売台数・機種数の増加に繋がったのかなと感じます。とは言えパチンコパチスロを合わせた総販売台数は年々減少傾向にありますので、業界全体の縮少は継続している状況でしょうか。

そんな中でも何とか台数を伸ばしたい多くのメーカーが高射幸・高単価機種の開発・販売に偏り、粗利を確保しなければならないホール様での運用と相まってパチンコパチスロともに単価は大きく上昇。

また、参加人口や客数の2024年のデータはまだありませんが、肌感としては良くて横這いでおそらく減少しているだろうと予想しています。高射幸機ばかりの状況に耐えられなくなり遊技をやめてしまうプレイヤーが一定数以上いたのではないかなと。
プレイヤーの数は減っており平均稼働も落ちているが、単価の上昇によりプレイヤー1人あたりの負担金額は増えて売上・粗利を維持している。

2024年の全体の動向はそんな状況だったと捉えています。自分もよく記事内でも書かせていただいておりますが、高射幸に偏重した状態で進んでいく流れはプレイヤーが高単価に耐えられなくなり客数が減少し稼働も低下、結果として売上・粗利も低下する方向に進んでしまうのではないかと危機感を感じますね。

2024年販売機種の総括

上述の通りの流れで、2024年は新台の高射幸化が進んでいきました。昨年導入された多数の高射幸スマスロの中で稼働面で良かったと言えるのは「ToLOVEる」「ゴッドイーター」「かぐや様は告らせたい」の3機種だけだったのではないかというのが自分の所感です。射幸性だけではプレイヤーの支持は得られないということが改めて浮き彫りになった印象ですね。
また、2023年12月機種ではありますが「モンキーターンV」の予想以上のロングランや11月中旬導入の「モンスターハンターライズ」など、間口の広いミドルスペック帯からヒット機種が出てきたことは個人的には嬉しい結果でした。

ノーマル機の緩和

その他の明るいニュースとして「ボーナストリガー」によりノーマル機が緩和されるという情報が流れた点は2024年の大きなトピックスの一つだったかと思います。簡単な解説記事も書いておりますのでご参考いただければと思います。(「【BT】ボーナストリガー考察」はこちら)

現段階では制限が厳しく、そこまで劇的にノーマル機の性能が向上するというわけではありませんが、既に申請受付も開始されており各社のタイトルの噂情報も出てきております。2025年には実際にホールで触れることが出来ると思いますので楽しみにしたいところですね。

適合率の低迷

一方で、元々低い水準で推移していた試験機関での適合率が年末にかけて大きく下落したという暗雲立ち込めるニュースもありましたね。
ボーナストリガーのテスト的な申請で適合率が下がった可能性も無くはないですが、AT機に対する試験の基準が厳しくなったのではないかというのが大筋の見方かと思っております。

開発としては、機種ごとの魅力を最大限に活かすスペックで世に出したいところ妥協せざるを得ない場面も出てくるかもしれませんし、そもそも新台導入のペース自体が落ち込んでしまう可能性もあるかもしれません。
一般の方はあまり気にしない数字だと思いますが、開発ではこの適合率という数字は2025年も重要な要素になると感じております。

2025年の展望

そんな状況でスタートしていく2025年。
ヴァルヴレイヴやからくりサーカスがヒットしている状況下で開発に着手した高射幸機群が開発完了し市場導入を迎える時期になると想定され、今年も大きな流れとしては高射幸中心のラインナップになっていくのではないかと予想しています。
とは言え、戦国乙女・モンキーターン・モンハンライズといった比較的遊びやすいスペック帯のヒットを受けてミドルスペックの機種も徐々に増えてくるのではないかというのが自分個人の希望的観測です。

ボーナストリガー機も、結果はどうあれ導入に際して注目は集まることでしょう。
間口の広い機械が増え、少しでもプレイヤーの誘引に繋がって欲しいですね。

ということで、今年も引き続き新台の性能予想や実際に打った感想などをマイペースに書いていければと思います。
本年もどうぞよろしくお願い致します。