Sガメラ -とある開発者の独り言-

打ち方とか設定推測とか、プレイヤー目線で有益な情報は色んなところで出てるので割愛させていただき、新台や注目機種について、開発目線ですごいなーと感じたところを書いてみたいと思います。

小難しい数値の話とかだと眠くなってしまうと思うので(自分含め)、大枠の話で。あくまで個人の感想ですのでその点はご容赦を。

今回はサミーさんのSガメラ。
我々オッサン世代にはブッ刺さる台ですよね!
右押ししてるとあの頃を思い出さずにはいられません。
(自分はガメラより圧倒的に大花派でしたが)

さて6号機で復活したこのSガメラですが、フル攻略で102%ながらも某全国データでは99〜100%の間で動いており、一定の粗利も確保されています。
台数も約7,000台まで伸びて稼働も好調!ロングヒット間違いなしの状況ですね。

まず、この出率設計が絶妙ですごい!

フル攻略の出率は計算やシミュレーターで簡単に出せるんですが、実際にホールでどう動くかを開発中に正確に予測するのはかなり難しいんですよね。

打ち手の技量にも左右されますし、技術介入の難易度によっては大きく下振れ・上振れしてしまう可能性もある。
実際ひぐらしなんかはかなり辛く動いてますもんね。

理論値102%・市場99〜100%は完全に開発の狙い通りに動いてるんじゃないでしょうか?

ターゲットとなる打ち手の技量を想定した技術介入の難易度、やめ時が比較的ハッキリしながらもリーチ目役を主体にしてどこからでも打てるように感じさせるメイン・出玉フロー設計。

過去にはミスをやらかしてしまった機種もありましたが(ゲフンゲフン)
さすがはサミーさん!
開発目線でも素晴らしい仕上がりだと思います。

ちなみにこのSガメラのメイン仕様は、ひたすらボーナス内部中を遊技する一般的なAT機ではなく、AT機でありながらリアルボーナスを揃えさせて高純増で出玉を増やすタイプ。
「蒼天の拳朋友」と同じ仕組みですね。
蒼天は天井の仕様が固定RTを使った形だったのでペナルティに抵触すると天井1,200Gが再セットされてしまい、ペナ止めが多発するという散々な状況でしたが、このガメラではそこも改善されています。

これの何がスゴイかって、

蒼天、ガメラタイプの仕様で適合・販売出来てるのサミーさんだけなんですよね。

蒼天が出た当時、市場はまだ6号機のAT機は高ベース機しかなくて、35Gくらいまでベースが削れてる蒼天を見て多くの開発者が衝撃を受けたことと思います。

すげー機械が出てきた!
これはうちもやるしかない!!

と、開発中の機械を蒼天仕様に作り変えたメーカーさんも多かったんじゃないでしょうか。

が、他のメーカーさんが同じメイン仕様で申請しても一向に適合しない。
ノウハウを完全に掴めていないメーカーが多いことを物語っています。

そんな中、蒼天の反省を活かしてデメリットを排除し結果を残す
さすがサミーさん!!

しかもこのリアルボーナスで増やすAT機仕様にすると、、、

一般的なAT機と比較してリール配列・停止制御の自由度が高いんですよね。

一般的なATでもやってやれないことはないんでしょうが、初代ガメラの配列を踏襲しつつの左押し右押しのゲーム性や技術介入要素はこのメイン仕様だからこそ実現出来たのかなと。

4号機ガメラの復刻を、というコンセプトであれば右押しのゲーム性は必須。
それを実現するためにこのメイン仕様を選んだのか、スペックとメイン仕様ありきで開発スタートして結果副産物として右押しのゲーム性が出来たのかは分かりませんが、同じ開発として頭が下がります。

あ、ちなみに自分はサミーさんの回し者ではないです(笑)
昔も大花派だったのでガメラはあまり打ちませんでしたし。

6号機のAタイプはスペック的に非常に厳しいのは皆さんご存知かと思います。
何とか緩和する方向で行政との交渉がされていくと思いますが、それもどうなるか分からない。

今回のSガメラの成功で、AタイプライクなAT機(疑似Aタイプとか呼ばれるようになるんですかね?)に活路を見出したメーカーさんは多いんじゃないでしょうか。

ジャグラーやアクロス機をはじめとした5号機Aタイプが無くなる年末年始以降、少しでもそのシェアを取るべく、各社この疑似Aタイプの開発が今後増えてくるのではと予想しています。

あくまで業界の一個人の意見や考えですが、ご参考になれば幸いです。