パチンコ業界が「半分」になる日は、もうすぐそこにある!? -『外国人にパチンコ教える人』のパチンコインバウンド講座-

Global Pachinko株式会社の長北(https://x.com/global_pachinko)でございます。

パチンコ業界の縮小は、店に足を運ぶ人なら誰もが肌で感じているはずです。新台入替は減り、大手チェーンへの集中と中小ホールの閉店が続く。私自身、この状況を前に「いま動かなければダメだ」と強く感じました。だからこそ、インバウンド対策や多言語化に本腰を入れようと決意したのです。国内市場が縮む中、外からの需要創出こそが生き残るための糸口だと思ったからです。

今の規模と「半分」のライン

まず、業界の実際の稼ぎを示す指標として**総粗利(営業収益)**を使います。2024年の総粗利は約2.54兆円。この数字が約1.27兆円まで落ちれば、「いまの半分」になったと言えます。
一方で、経営法人の数は急速に減っています。帝国データバンクの調査では、パチンコホール経営法人は2015年の2618社から2024年には1201社へと10年で約54%減少していますprtimes.jp。売上高こそスマートパチスロ人気で前年比5%増となったもののprtimes.jp、2015年比で10兆円以上減少しておりprtimes.jp、長期トレンドは明らかに下向きです。

ここまでの縮小スピード

2019年には3.24兆円あった総粗利が、2024年には2.54兆円。わずか5年で約22%減少しました。年率に直すと約▲4.8%。このペースだけでも、およそ15年で半減に達します。
加えて、少子高齢化は遊技人口の減少を加速させます。若年層ほどパチンコ・パチスロへの参加率が高いにもかかわらず、労働年齢人口(15~64歳)は2020年の7509万人から2035年には6700万人台へ縮小すると見込まれています。年率にすると▲0.6~0.8%。単純に“人口弾性”を0.7程度と仮定すれば、業界規模をさらに押し下げる要因になります。

半減に至る複合的な理由

縮小を引き起こしているのは人口だけではありません。以下のような複数の要因が重なっています。

1. プレイヤー離れとファン層の高齢化

過去20年、ファン離れが続き、少子高齢化による若年層の減少で新規客の獲得が難しくなっていますprtimes.jp。離れていったファンを呼び戻すための取り組みも行われていますが、決定的なブームには至っていません。

2. 大型店優位と中小ホールの淘汰

近年、1,000台クラスの大型店を中心に出店が加速し、その影響で500台以下の店舗の稼働が落ち込んでいます。店舗数は確実に減少しており、M&Aや廃業により淘汰が進んでいますprtimes.jp

3. コストの上昇

遊技機の価格高騰や設備入替対応などの激化が経営を圧迫しています。さらに電気料金の高騰や人手不足による人件費上昇も利益を削り、生き残れる店舗が限られてきています。船井総研のコラムでも「電気料金の高騰によるコスト増加」や「社員の高齢化と店長依存型の組織体制」を課題として挙げています。

4. 楽しみ方の多様化と競合の増加

スマートフォンゲームやオンラインカジノなど、手軽な娯楽が増えたことでパチンコの相対的魅力が低下しました。都市部にカジノを含む統合型リゾートが開業すれば、競合はさらに激化するかもしれません。

5. 負のイメージと広告規制

依存症問題や「出ないホールが多い」というイメージは、ファン離れの大きな要因とされていますprtimes.jp。広告規制強化により、若者や観光客にPRする機会も限られています。

半減はいつ起きるのか

これら複合要因を踏まえ、縮小スピードは年▲5.5~6.5%程度と見込まれます。
● 中位シナリオ:2034~2036年に半減

● 悲観シナリオ(規制強化やコスト増が加速):2032~2034年に前倒し

● 楽観シナリオ(ヒット機継続や新規施策成功):2037~2039年に後ろ倒し

いずれにせよ、個人的にではありますが、2030年代に「半分」に達する可能性が高いと考えています。店舗数に関しては、すでに5~7%のペースで減少が続いているのが事実であり、2034~38年ごろには現在の半数(約3300店)に落ち込むのではないでしょうか。

まとめ:まだ安穏としてるんですか?

人口減少、規制、コスト増加、ファン離れ、競合の増加――。これらが折り重なって、パチンコ業界は「いまの半分」へと向かっていくと考えます。私がインバウンド対策に動き出したのは、こうした現実を前にただ指をくわえているわけにはいかないと考えたからです。国内の稼働だけに頼る時代は終わりつつあります。
10年後、あなたの店は、あなたの街はどうなっているのでしょうか。
まだ安穏としている余裕はない──それが、この分析から導き出されるメッセージです。