もし、あの日に戻れるなら・・・あなたはなにをやり直しますか?
過去に戻り、何度も何度も未来を変えるチャレンジをする。
時間を巻き戻して、運命を変えようとする物語をタイムリープもの称されます。
パチンココンテンツの中にもタイムリープものは多く、代表的なものとして「リゼロ」「シュタインズゲート」「まどか☆マギカ」「ひぐらし」などが挙げられます。
そしてもう間もなく、タイムリープ系アニメのトップコンテンツである「東京リベンジャーズ」が登場します。
主人公である「冴えないフリーター・花垣武道(ハナガキタケミチ)」はかつての恋人が殺されたことをきっかけに中学時代へとタイムリープ。彼女と仲間たちの未来を変えるために奔走します。
不良たちの抗争の中で、友情や絆、後悔と向き合いながら何度も過去に戻り、運命に抗い続ける物語は、ただの“やり直し”ではなく、信念を持って“人生を変える”ための熱い挑戦として、ファンを東京リベンジャーズの世界へ誘います。
東京リベンジャーズの原点
東京リベンジャーズ作者、和久井健は実際に暴走族「ブラックエンペラー」の元構成員であることを公言していることもあり、東京リベンジャーズは関東連合をモデルにしているという推測は多くありますが、わたしには東京リベンジャーズのインスピレーションはスマップにあると思っています。

解散騒動の渦中にあったSMAPが、2016年1月18日に生放送された「SMAP×SMAP」の中で活動を続けていくことを表明した会見で木村拓哉さんが嚙みしめるように発した
「えー、今日は2016年、1月、18日です」という言葉にSNSユーザーがざわつき始めます。

そうです。キムタクのタイムリープ説です。
木村拓哉さんはSMAPをどうしても残したい。だけど・・・
キムタク「くそっ何度タイムリープしても中居がアイドルをやめちまうし、草なぎが脱いじまう」※妄想を映像にまとめたキムタクタイムリープ説動画
なんど繰り返しても変わらない未来に対して様々な考察が展開されます。

中でもアイドルを脱退したい中居氏のたくらみをタイムリープしたキムタクがことごとく潰していくというストーリーは秀逸でした。
どうしてもアイドルを止められない中居氏がキムタクに言葉をかけます・・
中居「木村、お前タイムリープしてねえ?」
東京リベンジャーズでも主人公ハナミチの運命と未来を変えるチャレンジに何度も、何度も立ちふさがる稀咲鉄太。
稀咲鉄太から見れば、自らの夢をかなえる行為を何度も何度も先回りをしたかのように潰しに来る花垣武道。
苛立った稀咲が花垣にいった言葉は・・・
稀咲「花垣、お前タイムリープしてねえ?」
このシンクロはとても偶然とは思えないんです。
東京リベンジャーズの作者、和久井健さんはきっとネット民だと思います(笑)
東京リベンジャーズに立ちふさがる最大のライバル
では直近のパチンコトレンドを見ていきましょう。

パチスロ大躍進のGWを終えたパチンコですが、業績は堅調という表現でいいでしょう。
しかしこの【堅調】、因数分解すると【定番機の好調】と【新台の低調】と【喰種の躍進】に分かれます。
定番機であるヱヴァ咆哮は1年内でピークとなる客数を稼ぎました。新たな定番機種からくりは増台後のピーク客数を更新中。東京喰種は客占有率5%以上キープとその他の新台を完全に喰いつくす好調ぶりです。
上記のコンテンツの恩恵を受けている店舗は好調、それ以外は低調、全体では堅調という表現が適切でしょう。平均データで時世を語ることが無意味であることを象徴する事例ですね。
エヴァ咆哮の好調を端的に表すデータはこちらです。

土日のエヴァ咆哮の業績は右肩上がりに延びています。正しく国民の休日の余暇を一手に引き受けているのがエヴァ咆哮なのです。
エヴァ。王に君臨する者の絶大な強さの源は
LT1.0、LT2.0とスペックアップした様々な刺客をことごとく跳ね返し、トップの座に君臨し続けるエヴァ咆哮を支えている強さとはなにでしょう。
そして土日ユーザーが強烈にエヴァ咆哮を支えるのは、皮肉にもLTの台頭でしょう。デットオアアライブ、やるかやられるかのLTはどの程度勢力をのばしているのか。最新のハイミ~ライトミドルのLT比率と客構造を整理しましょう。
※オンリー顧客の多い海物語は除く。

既にLTは設置比率で50%、客数比率で58%と浸透していることが分かります。
そして非LTの客数の内、実に44%がエヴァ(咆哮&シンエヴァ)なのです。
LT3.0が導入される夏商戦、非LTの設置比率はさらに減少し、LT疲弊の受け皿としての一極集中となるエヴァはさらなる成長を遂げるでしょう。
次世代を狙うLT世代が幾度もエヴァに立ち向かえど、まるでタイムリープを繰り返した完璧なキムタクのように、トップに君臨するエヴァ咆哮。
ここで改めてもパチンコ主力機種のスペック特性の比較をしましょう。

時短100回がニッチになる時代など誰が想像できたでしょう。
確変TYに特化てしてスロットとの差別化を狙う時代にはノスタルジックなスペックに見えますが、確率変動×時間短縮というコンビネーションは、時空も操る無敵感を得られるパチンコ30年来の王道スペックであり、いつだってパチンコカスの欲望と希望を奮い立たせてきました。
確変突入率が60%でも時短で引き戻せば大丈夫。
時短で引き戻せなくとも、持ち玉と少し投資(※約1.2万円)で当たりを引けば大丈夫。
単発×時短外れと初めに悪いヒキをすでに引いているので、次の当たりの実質確変突入率は91%
91%の確変は実質100%
次の当たりで獲得できるTYは6,000発=2.4万円相当で追加投資の2倍が帰ってくる!!
こんな投資やるしかない。
よーし、リベンジしてやるぞ。リベンジしてやるぞ。
パチンコはガキの喧嘩だ
海・エヴァに渦巻く、都合のよい根拠に満ちたリベンジ魂がパチンコ屋の熱気の正体だと私は思っています。
LT2.0はチャレンジした者だけが得られる甘美な時間と、チャレンジした者だけが知る苦渋という現実を挑む者に突きつけました。パチンコはガキの喧嘩ではなく、命をかけた大人の戦いだと言わんばかりに。
やるか、やられるかの世界に興ざめしたオールドパチンコファンがエヴァ・海に回帰する現象は必然なのかもしれません。
東京リベンジャーズの物語の中には喧嘩と殺し合いについての線引きが明確にされています。
項目 | 喧嘩(ケンカ) | 殺し合い・凶行 |
---|---|---|
定義 | 「拳」で語る。力比べ、意地、誇り。 | 命を奪う暴力。制御を超えた復讐・怨念。 |
行為の目的 | 仲間・チームの誇り、勢力争い、仁義 | 相手を完全に潰すこと・私的な制裁 |
暴力の限度 | 「やりすぎない」暗黙の了解 | 一線を越える。ナイフ・銃などの使用も |
精神性 | 「筋」や「任侠」に近いコードがある | 個人の怒り・憎しみに支配されている |
結果 | 喧嘩後に手を差し出すこともある | 死・人生の破滅を引き起こす |
リベンジ魂とは、他者を潰すことではなく、なにも成し遂げられなかった己へのリベンジです。強烈な武器を手に入れ、札束の暴力で世界を牛耳るためではなく、リベンジ魂が沸き上がる遊技場(ユウギバ)を再燃させることがパチンコ再生のトリガーではないでしょうか。
確率変動×時間短縮という古来の黄金比にLTの爆発力を纏い、令和7年世代の究極のミドルスペックとして旧世代のエヴァ帝国に挑戦する図式は、東京リベンジャーズのカリスマ的人気を誇るマイキーこと東京卍會(トーマン)初代総長である佐野万次郎が、最大のライバル勢力である愛美愛主(メビウス)に挑む構図によく似ています。
マイキーは抗争勃発でざわつくメンバーに静かに、そして力強く語りかけます。
「ひよってるやついる? いねーよな?」
銀玉リベンジャーズ
2070年7月7日。
時刻は午後7時7分。
パチンコ店の片隅に、ひときわ古びた「東京リベンジャーズ」台が一台だけ残っている。
誰も座ろうとしないその台に、毎日のように向かうひとりの老女がいた。
ヒナおばあちゃん。

40年前――
2025年7月7日午後7時7分、彼女はその台で初めての確変を引いた。

喜びに夢中になったヒナは、当時の恋人・武道との食事の約束に遅れてしまう。
そして――
武道はヒナを探す途中で、交通事故に巻き込まれ命を落とした。
それ以来ヒナは思い詰める。
「あの確変がなければ、武道は今も生きていたかもしれない」
それから40年、ヒナは同じ時刻、同じリーチ、同じ図柄を追い求めて、ただただ台に向かい続けた。
まるで「時を戻せる確変」を信じるかのように。
2070年7月7日午後7時7分。
「東京リベンジャーズ」の台が静かに光る。
懐かしい演出――
同じ音、同じリーチ、同じ図柄が揃う。
“タイムリープ演出 発動”
目を閉じたヒナは――
2025年7月7日午後6時58分に戻っていた。
彼女はパチンコ台の前にいない。
急いで武道のもとへ駆けつける。
事故は防がれ、運命は書き換えられた。
2070年現在。
ヒナの隣には、もう一人の老人――
武道が静かに微笑んでパチンコを打っている。

二人は何も語らない。
ただ、銀髪の二人が、隣同士で銀玉のはじける音に耳を傾ける。
それが、「戻ってこられた未来」だった。
パチンコは粘りと頑張り、タイムリープは選びなおす勇気。
どちらも、自分の手で“未来”を引き寄せる物語だ。
その物語は今日も一人一人の銀玉ファンの中に紡ぎ出されている。
そう。わたし達は銀玉リベンジャーズだ👍

この記事を書いた人
ノンブル・マーケティング代表
斎藤 晃一 Koichi Saito
大手ホール企業で培った分析・マーケティング力を武器に、出店や既存店強化などを支援する