
ディエゴマラドーナ(技術の神話)
⇒チームプレーから神の子へ
ジネディーヌ・ジダン(頭脳の支配者)
⇒ “速さ”より“間”によってサッカーを制する
クラウディオ・マケレレ(守備の哲学)
⇒「見えない貢献」が“最重要”へ
リオネル・メッシ(異次元の融合)
⇒【型を超え】プレースタイルの概念を無力化
クリスティアーノ・ロナウド(努力の象徴)
⇒スターの条件は「血筋」から「覚悟」へ
エンゴロ・カンテ(調和の美学)
⇒【陰で支える選手】がヒーローになれる価値観を創出
キリアン・エムバペ(身体の超越)
⇒【頭】ではなく【加速力】が時代を切り開く武器へ
時代の転換点となった“ゲームチェンジャー”たちの共通点
サッカーの歴史を彩るスーパースターたち。
しかし彼らの凄みは、ゴール数やタイトルだけにとどまりません。
彼らは「試合のゲームチェンジャー」であると同時に、サッカー選手に求められる“価値”そのものを塗り替えました。
彼らに共通しているのは、「時代が要求していなかった要素」すら自らの強みに変えたことです。
彼らの登場によって──
◎サッカーの解釈が変わった
◎プレイヤーの評価軸が変わった
◎ファンが求める“スターのあり方”が変わった
ルールやポジションは同じでも“意味”が変わった瞬間に時代は動きます。

近年のパチンコに代表されるのは
■初代牙狼(CR牙狼XX)
⇒【爆裂性の再定義】
MAXタイプ×高速STの組み合わせにより「パチンコ=一撃」のイメージを定着
■ビッグドリーム~神撃~
⇒ 【時間価値の爆上げ】
大当たり1,500発を約30秒で叩き込む“超スピード仕様”「速さ=快感」という新たな中毒性を形成
■Pガンダムユニコーン
⇒【スペック設計の常識破壊】出玉と連チャン性の融合
一個賞球により圧倒的出玉スピード&感覚を成立。定番機は三個賞球という常識を変えた。
■e東京喰種
⇒3,000発×高継続のT1Yと継続性という二律背反を統合。勝率と勝金額の垣根を破壊。
パチンコは粘りと頑張りの時代から短時間大量獲得へと“意味”が変わる最中にいるのかもしれません。
LT3.0の初動チェック
7月に導入されたLT3.0の主要機種の稼働率推移をみましょう。

S級コンテンツは導入~3日間稼働率は下がらないことが多いのですが、全ての機種が減少した結果となりました。また二週目以降の下落も大きく、エヴァ咆哮、リゼロ、番長、まどマギのような安定感はありません。

客占有率についてはヒット機種の条件である、2.5万台販売&客占有率6%維持のラインはギリギリ保っています。

資産価値については東京リベンジャーズが初期需要の爆発と支持率400%以上という数値から高値をつけましたが、大きな下落が発生。要因は増産計画と顧客のデータの中身(顧客稼働、顧客投資、玉単価、客滞率など)がスペックコンセプトと乖離していた点が影響していると思われます。
炎炎2紅丸は非常に安定した客数と中身を維持しており、からくりサーカスに近しい業績を残していますが、資産価値は30万前半を維持したまま上昇には向かっていません。
それでも導入二か月間に稼ぐだろう累計粗利から見ると、【抜群の利益貢献】をすることは間違いなく順調な滑り出しと言えるでしょう。
LT3.0は“ゲームチェンジャー”になれるのか
ゲームチェンジャーに求められるものは“価値”そのものを塗り替えることです。
例えばLT2.0の代表的な機種であるからくりサーカスと東京喰種のLT3.0導入後の稼働占有率予測は、初期購買層の離反を想定すると前者が3%前後、後者が4%前後。

過去のものになるならば想定値を大きく下回ることとなるでしょう。
ではLT3.0導入による客占有率変化を確認します。

からくりサーカスは想定通りの3%弱へ低下、週を追うごとに占有率を落としています。
しかし、東京喰種は想定(4%前後)より高い5%で耐え、LT3.0の鮮度低下と共に客占有率を上げています。
LT3.0の追撃を許さない、東京喰種に興味深い事例があります。
まずLT3.0導入タイミング~それ以降で東京喰種を増台した店舗の喰種客数推移をご確認ください。東京喰種の増台が増客に繋がっていることが分かります。
※店舗名は伏せています。

続いて、このグループの主力機種【客数】推移をご覧ください。
LT3.0の影響を受けず、東京喰種が単一機種でのトップポジションを奪いました。
相関関係は不明ですが、東京喰種の増台と増客に呼応するようにエヴァ咆哮の客数が伸びていることも興味深い事実です。

ゲームチェンジャーとしての”東京喰種”
LT3.0の登場でも揺るがない東京喰種。
それを上手く活用し、競争力を上げた事例を共有しましょう。
競合店Aは地域のトップ店舗。時流に乗ったスロット増床とLT3.0の大型投入。
競合店Bは地域の二番手。店舗台数と業績規模を考えると競合店Aの資本投下にまともに戦えない。
そこで競合店Bが取った施策は東京喰種の増台とエヴァ咆哮の徹底育成でした。
新台投入では競合店Aが25台多く購入。LT3.0でのパワーゲームを仕掛けます。
結果はどうなったでしょうか。

市場の4円パチンコ客数は40人増加、120%上昇しています。内訳を掘り下げると、

新奇性を軸に攻勢をかけたA店による新奇性カテゴリで20名の増客。
定番機強化を軸に攻勢をかけたB店による定番機カテゴリで20名の増客。
合わせてエリア客数がプラス40名、120%アップという結果となっています。
ゲームチェンジャーとしての店舗戦略
適切な指標を持ち、適切な考察をし、適切な行動を起こす。
ゲームチェンジャーに必要な能力の一つです。

東京喰種を7月に増台することは、これだけ【データが揃っている時代】において、難しいことではないでしょう。上記のように、客数推移も、顧客データも実績がS級機種に近しい数値が並んでいます。
時代を変える”モノ”と”者”
サッカーにおけるゲームチェンジャーとは単なる“試合を決める選手”ではなく、時代ごとに「サッカー選手像」そのものを刷新した存在であり、スポーツ界全体における価値観のアップデートをもたらした者でした。
LT3.0という機械(モノ)がゲームチェンジャーにならない時代において、より中を大きく変える存在になりつつある東京喰種こそがゲームチェンジャーに近しいモノに映ります。
しかし、装置産業において時代を刷新してきたのは、“モノ”ではなく“者”に他なりません。
どれほど革新的なスペックを持つ機械であっても、それを信じ、育て、武器に変える“意志ある者”がいてこそ、それは初めて“ゲームチェンジャー”として歴史に名を刻むのです。
東京喰種の主人公”カネキ”は遅れてきたLT3.0に向かい言い放ちます。
僕を喰おうとしたんだ。僕に喰われても仕方ないよね。

再び6%の壁を突破、支持率300%まで回復した喰種をみて人はなにを想うのか。
モノを望み、モノに怯え、モノに従う。
それは装置産業における、もっとも安易で、もっとも従順な生き方だ。
次に出る“何か”に希望を託し、現実を棚上げし、責任をモノに押しつける──
それで、本当に時代を変えられるのか?
問われているのは、「次の新台」ではない。
今この瞬間、何者として立ち、何者として残るのか──その意思だ。
何者かを問い、亡き者を敬い、新しき者へと想いを引き継ぐ。
“意味”を読み、“文脈”をつなぎ、“価値”を創る者こそが、時代の編纂者となる。
ゲームチェンジャーとは、モノではない。者である。そしてその「者」になる資格は、選ばれし人間だけのものではない。目の前の選択に、意志を持って立ち向かうすべての人間に、宿されている。
ゲームチェンジャーは──君だ👍

この記事を書いた人
ノンブル・マーケティング代表
斎藤 晃一 Koichi Saito
大手ホール企業で培った分析・マーケティング力を武器に、出店や既存店強化などを支援する