2021年上半期パチスロ実績レビュー -今日も緑保留-

こんにちは。 マーケターのRです。

10月に入り、だんだんと秋の音や匂いがしてきましたね。コロナ第5波も落ち着き、緊急事態宣言も解除され、外出を楽しめる期間が戻ってきそうですね(もちろん感染予防には細心の注意を払いながら、ですが)。

パチンコ業界に関してみると、全体の業績として飲食業界等ほど大きな変化はないと想定されますが、夜の人出が増えることで個々の環境はまた変わってくると思います。
そしてそれは、書き入れ時となる年末年始に向けた、各店舗のお客様への格好のアピール機会となるでしょう。
この機会に、しっかりとお客様にリーチしていきたいですね。

さて、そんな中で今回は今年上半期の振り返り、パチスロ編です。
※遅くなりまして申し訳ございません。
(パチンコ編はこちら)

2021年の主力パチスロ機

※ここでの総稼働は、独自調べデータの全国台数と稼働(アウト)と一定の係数をかけたものです。(20円のみ)
※7月の新台機種は、このランキングからは除外しています。

■2021年1~7月の総アウト/日 上位25機種

前回と同じように“メーカー”で色分けしています。パチスロメーカー様用に色を増やしたらさらにうるさくなってしまいました・・・

最上位に北電子“ジャグラーシリーズ”が名を連ねているほか、20位まではほぼ北電子・大都・ユニバーサル・パイオニア・サミーで占められていますね。20位以下でネットやオーイズミ、三洋、山佐といった他のメーカーが出てきます。
パチスロは中小規模のメーカーが多いですが、最上位は大手メーカーで占められている状況が見て取れますね。

ちなみにこの状況は、下記の通り2019年もほぼ同様です。
しかし、6号機市場となりつつある2021年はやや違う傾向もあるので比較してみましょう。

2021年前半と2019年前半の主力パチスロ機を比べてみました

■2年前との比較

※2021年1~7月

※2019年1~7月

2019年と比較してみると、“ジャグラーシリーズ”と“ハナハナシリーズ”の向上が顕著です。また、その他にも「ハナビ」「バーサス」といったRT機、「ガメラ」「ひぐらし祭2」といった技術介入ありのシンプルめな機械が目立ちます。
「初代バジリスク絆」や「沖ドキ」、「凱旋」といった5号機AT = 時速の早い機械がなくなった反動もあるのでしょうか。

パチンコのような上位機種への稼働集中は見られませんが、ノーマルタイプや技術介入機といった純粋なパチスロ打ちが好むような機械への稼働偏重が見られるということが言えるかもしれません。

そしてこの、まだまだ“誰が打っても面白いパチスロ”があまり出てきていないという事実は、パチンコ以上に稼働低下が見られるパチスロの抱えている課題と言っていいのかもしれません。

メーカーごとの特徴

超安定メーカー
●北電子:濃い青
2019年は10種類、2021年は8種類のジャグラーが25位以内にランクインしました。
2021年は特に上位にジャグラーシリーズが集中していますが、種類が減った分、上位機種に稼働が集中しているということもしれません。
しかし、ご存じの通り2021年7月までに市場で動いている“新基準ジャグラー”は1機種のみ。現時点で活躍しているジャグラーの種類に対してあまりに少ないので、質・量ともに供給力が試される時期に至っています。
規則改正で最も強い影響を受けると言われるノーマルタイプのジャグラーシリーズですが、北電子さんのシェアコントロールにも要注目ですね。

●ユニバーサルエンターテインメント:薄い緑
2019年時点で市場を支えていた高射幸AT機「初代バジリスク絆」「沖ドキ」「凱旋」「ハーデス」などは撤去されましたが、2021年も依然として「バジリスク絆2」「まどかマギカ2」「ハナビ」「沖ドキ2」など新規則を含む多くの機種が市場を支えています。
市場トップメーカーとしてユーザーに積みあがった信頼や安心感と、そのニーズや期待に応える開発力や生産・供給力が既に優れた循環を生み出しており、このメーカーの牙城が揺らぐことはそうないように感じられます。

注目メーカー
●大都技研:薄いオレンジ
「鏡」「リゼロ」で5号機と共存し、6号機最初期を切り開いた功績のあるメーカーですが、2021年でランクインしたのは旧規則の「番長3」のみとなっており、最近は影響力がやや弱まった感もある印象です。
じきに来る6号機完全移行や内規改正を契機に、改めて6号機時代の遊び方を提示しユーザーの支持を集めることができるのか注目です。

●パイオニア:濃いオレンジ
言わずと知れた“ハナハナシリーズ”ですが、高射幸機が撤去された2021年時点では影響力が上がっています。
にもかかわらず、6号機ハナハナの供給量が少なく上位にランクインしていないので、“ジャグラーシリーズ”同様6号機での供給力も試されます。

●サミー:薄い水色
2019年時点では「ディスクアップ」以外は影を潜めていましたが、2021年はちょっと昔ながらな感じも持つ「北斗」「ガメラ」がランクインしてきました。ランクインしなかった機種でも頭文字Dなどのヒット機種もあり、難しいマーケットの中でなんとか実績を出しているあたりはさすがといったところでしょうか。このあとの本領発揮に期待です。

今後の更なる発展に期待メーカー
●三洋:白
5号機最後期に「聖闘士星矢-海皇覚醒-」「笑ゥせぇるすまん3」といったスマッシュヒットを続けて出しました。6号機ではまだヒットを出せていませんが、5号機が消えたときこそ海以外では射幸性に定評のあるこのメーカーの勝負所かもしれません。

●オーイズミ:濃い緑
元々技術介入機には定評がありますが、「ひぐらし祭2」やその前後の機種を見ると、今はその波が少し来ている状況かもしれません。ニッチを狙う戦略が奏功しそうなこのメーカーにも期待です。

●ネット:薄いオレンジ
「チバリヨ」はこのメーカーの本筋の機械ではないかもしれませんが、30パイが手薄な中でこの機械を出してヒットさせたマーケティング力はさすがでした。6号機初頭の低ベース化であっといわせたモグモグ風林火山もそうでしたし、5号機初頭にも多くのチャレンジがあり、意外にも規則の変わり目にチャレンジングなメーカーと言えるかもしれませんね。

●山佐:緑
2019年にも2021年にも“鉄拳”シリーズがランクインしており、このシリーズの安定感を感じます。
いわゆるリノタイプは6号機で最も高い射幸性を発揮すると言われており、リノ最新作にも要注目ですね。
さらにこのメーカーには、ノーマルタイプの需要増と供給不足の中でカエルさんの存在感向上も期待したいところです。

おわりに

現在のパチスロは、パチンコと違い稼働を支える6号機がまだ確立されているとは言い難い状況です。ただ、これは規則改正のたびにこの業界が乗り越えてきた課題であり、今後開発の方々の努力などによっていずれは解決されていくものでしょう。

とはいえ、避けられない状況として5号機は徐々に無くなってきています。
6号機に満足いくような結果が出ていないという状況はあれど、今あるものをどうやったら上手く使いこなせるかを追求することが、現在の状況の改善に繋がります。
そして、その追求をし続けられた店舗が、市場を支える6号機が現れたときに顧客の支持を得られるのではないかとも思います。

今回のように振り返れば、ゲーム性やその表現が分かりやすく支持を得られやすいメーカーもあれば、ペナルティ等悪い方で目立ちやすいメーカーもあることが見えてきます。

前者はもちろん素晴らしいですが、後者に関しても「なんでそういうふうに開発したのか?」などを突き詰めて考えて知識として蓄えておくことは、今後6号機を使いこなすにあたり必要かもしれません。