今回は、保通協での型式試験上の出玉率とホールでの出玉率 この両者は少し違いますよ、というお話です。
メーカーやホールさんの方々からしたら「知っとるわ」と言われそうな内容ですし、プレイヤーの皆さんからしたら「だから何?」という心の声が聞こえてきそうですが笑、ちょっとした豆知識と、この知識が役に立つケースもありますのでご参考まで。
さて、「出玉率」。
式で表すと
(総払出枚数)÷(総投入枚数)×100
です。
OUT/IN
と言った方が伝わりやすいですかね。
具体的な例です。
3枚掛けで1,000ゲーム遊技して、小役での払出が3,000枚
リプレイが100回揃った とします。
上の式に当てはめると、
獲得枚数 =3,000+100×3=3,300
投入枚数 =3枚掛け×1,000ゲーム=3,000
出玉率 =3,300÷3,000×100=110%
ということになりますね。
これが【ホールでの】出玉率です。
皆さんおそらくすんなり入ってきますよね。
ところが、【保通協での型式試験】での計算はこうではないのです。
計算が変わる理由は4号機から規則に追加された、再遊技=リプレイ。
リプレイは規則上、「メダルの投入・ベットを行わずに次のゲームを遊技出来る」ものと定義されています。
読んで字の如く「もう一回遊技出来る」であって、「3枚獲得し3枚投入する、ではない」という解釈です。
実際にホールで打っていると
リプレイが揃う→ベットがテンテンテンと3枚入る→次レバー
という流れをイメージしますよね。
3枚払い出されて自動的に投入されている感覚ですし、上記のホール出玉率でも100回揃った=100×3=300枚 として計算してます。
でも型式試験でリプレイは払出・投入とは扱われず、
IN:0 OUT:0
という扱いとなるのです!
上の例を当てはめると、投入枚数が3,000枚ではなくリプレイ100回分をカウントせずに2,700枚となり、払出も小役分のみの3,000枚。
払出枚数 =3,000
投入枚数 =900×3=2,700
出玉率 =3,000÷2,700×100=111.1%
となります。型式試験上の出玉率の方が高くなるんですね。
ちなみに100%を下回る例で試算すると、型式試験上の出玉率の方がより低くなります。
簡単にまとめると、「ホールでの出玉率の方が、より100%に近付く」と覚えておいていただければOKです。
…だから何?という話ではありますが、今回お伝えしたいのは2つ。
- 型式試験では実際のホールでの動きより厳しい取られ方をします。
そんな中、可能な限り出玉性能の高い機械となるよう努力しているんです!
という開発の擁護…特にリプレイ確率が高い機種なんかは…。 - 公表されている出玉率と実際のホールでの出玉率の乖離が話題になることがしばしばありますが、 それはもしかしたら、生真面目に型式試験上の出玉率を公表されているからなのかもしれません…(憶測ですよ)
ここまで読んでいただけたらお分かりの通り、例えばホール出玉率114.9%とか…リプレイがなければまだしも、なかなか実現は難しい気がしますよね!
ホールさんでの機種選定やプレイヤーの皆さんが台選びする際、スペック表を眺める時に頭の片隅に置いといていただくと、何か見えて来ることがあるかもしれないと思いまとめてみました。
何かのお役に立てば幸いです。