ご無沙汰しております。Global Pachinko株式会社の長北(https://x.com/global_pachinko)です。
先日行われた『みんパチ2024』の結果について聞きたい方が多いタイミングでしょうが、前置き代わりに書いておくと、それについてはあんまり語れるところがないのです。クライアントのいる話ですし、詳細なデータについては当然、そちらの持ち物となります。
言える範囲で言うと大成功、『外国人はパチンコを打ちたがっている』の証明になったと認識しています。
ので、インバウンドだ外国人だ、という主語で語るとイマイチ制約が多いタイミングだしどうしようかなと考えていたところ、たまたま話す機会があった『新規遊技客誘引』について語ってみようかと思います。
そもそも、どうやって初心者を呼び込むかを考える前に、初心者に対してパチンコを教える際のお作法を学んでおく必要があるってわけですね。
なんでお前が?という感じもするでしょうが、わたくし、初心者にパチンコを教えた数ランキングではおそらく日本、いや世界トップだと自負しているのです(正確に数えてないですけど、直接教えただけで300名は超えています)。ほとんどは外国人ですけども、まぁその辺りは細かいことでしょう。
というわけで、『初心者』にパチンコを教える際、意識しなければいけないことと、想定問答集です。
パチンコとは?
で、結構問題になるのが第一手、パチンコって何なの?というところの伝え方です。
当然相手の認知度に合わせて伝える必要があるとは思うんですが、これを『ギャンブルです』と伝えるのか『遊技です』と伝えるか、はたまた『日本文化です』と伝えるのか、そのすべてを採用するかはひとまずの難しさだったりします。
個人的にはこれらすべての要素が合わさってこそのパチンコだとは思いますので、『ギャンブル要素がある日本の伝統的な遊技』という言い方をするケースが多いですね。
どういうゲームなの?
だいたいの場合、初心者側から来る質問は上記のものです。
この質問が出てきたとき、『玉を借りてハンドルを握ってー』とか、『ヘソに玉を入れて―』とか、『パチンコとパチスロがあってー』とかイメージした方、説明がヘタクソです。今聞かれているのは『どんなゲームスピードなのか』とか、『ほかのどんなゲームと似ているのか』という質問です。要は『ストリートファイター』なのか『大富豪』なのかを聞かれているので、この場合は馴染みの深い、類似のゲームを提示してあげるのが適切です。
つまり、適切な回答は『釣り』か『ポーカー』みたいなもんだよ。となります。
こう伝えることで、相手にはなんとなく『そんなに難しくはない』けれど『多少時間が必要な遊び』というイメージがわきます。どちらのゲームも10分でやろうって人はいないですしね。
で、もう少し具体的に伝えるなら『場所を移動したり用具を揃えたりする必要がない釣り』というのが最も適切かなと思います。その分遊技費がかかると伝えてしまってもいいですが、そんなことは言わずとも理解してくれるでしょう。
で、勝てるの?
続いて飛んでくるのは、ほぼこの質問です。
回答として、『おう、俺は毎月10万ぐらい勝ってる』も、『毎月30万は負けてる』もハズレです。
実際はどうであれ『毎月ほどほどに負けてる』とか、『上手い事やってトントンぐらい』と伝えるのがオトナの伝え方です。
仮にあなたが毎月勝っている場合、あなたは一般人とかけ離れた、特殊な性格です。よく言えば自制心が強く、悪く言えばドMです。聞く人からすると、ゲームでカネを稼ごうとしている頭がおかしい人です。
仮にあなたが毎月30万円負けている富豪だとすると、それはそれで問題です。いずれの場合も、相手はパチンコ云々の前に、あなたとの付き合い方を考えるでしょう。
でも、『勝てる』って言わないと遊んでくれないよ!
先ほどの理論をもう少し説明すると、『勝てるから』一緒にパチンコへ行こう、という誘い方が、そもそもの間違いです。
仮にあなたが勝ち方を知っていたとして、『教えた相手もパチンコで勝てる』という話は、ハイエナがどうたらとか、パチプロがどうのとかいう話以前に、ロジックとして破綻しているんですね。
まぁ上手くやれば勝てるには勝てます。ただし、その為の前提として、プレイヤーがある程度の自制心を持っているというのが条件です。そして、相手が自制心を持っているかどうかの判断は、ほぼ不可能です。10年来の付き合いっていうことなら多少はわかるかもしれませんが、まぁ99%は無理でしょう。
更に言うと、パチンコで期待値を追ってメシを食おうという考え方も、そもそもが破綻しています。そんな自制心があれば、本来的にはパチンコなんか打たずに仕事してる方が稼げるわけですから、四の五の言わずに何かの資格でも取った方がいいのです。遊んでないで人生の期待値をとってください。
負けるってわかってるならなんで打ってるの?
じゃあ何故我々はパチンコを打っているのか。楽しいからです。
楽しいから打つ。これは別段、恥ずかしいことでもないわけです。そして、勝ちに向かうことも楽しみ方の一つというのはこれもまた真理。負けるより勝った方がいいのはすべてのゲームにおいて共通です。
ですが、『勝つ』ことと『常勝する』の間にはとてつもなく大きな溝があるのです。例えば、『今月ヒキ弱で想定以上に負けちゃったから、後半戦は強い店に行く』『来月出費が嵩むから、今月は勝ちに行く』なんていうのは、これもまた立派な付き合い方です(褒められた考え方なのかは別です)。
よくある『負けると思って打ちにいく奴はおらんだろ?』という考え方もわかるんですが、現実問題、5年以上打ち続けて年間収支はずっとプラスなんて人はごくごく一部なわけで、期待値的には負けるもの、でもどうにか立ち回って負け額を減らそうっていう人がほとんどなんじゃないかな?というのが、色んなプレイヤーを見てきた上での個人的な見解です。
伝えるべきは『楽しさ』
ちょっと脱線しましたが、初心者に対して『頑張れば勝てる』という言い方くらいは伝えてもいいのかもしれません、ですが、本質的には『ほかで得られない体験のために負ける』というのが最も適切な伝え方で、この辺りは他のゲームと同じです。
とはいえ、釣りの楽しさを言葉にするのが難しいのと同様に、パチンコの楽しさを伝えるのも難しいです。なので、ここは自分自身がどう付き合っているのかを率直に伝える他ないのかな、と考えています。
演出、出玉、ゲーム性、勝ちを求めるのも適度に負けるのも、打った後に店やら台やらヒキの文句を言いながら呑む酒だって楽しみに含めていいわけです。
後はまぁ、当たれば楽しい作りですから、無理に説得しようとせず、できるだけ素直な形で自分の体験を共有する、そのうえで興味を持ってくれたら最初の数回、1円パチンコでもゲームセンターにでも連れて行ってから手取り足取り教えてみる、というのが一番いい形ではないでしょうか。
と、まぁ、今回は非常にふんわりした内容になってしまいましたが、こんなところで。また次回!