ガンダムシードの今後の業績について
前回に引き続き、ガンダムシードを掘り下げて考えてみましょう。
(前回の記事はこちら「想いだけでも力だけでも~ガンダムシード速報~(前編)」)
今回は、好調発信したこの機種の今後を占ってみたいと思います。あ、占うといっても、もちろん「感想」ではありません。
可もなく不可もなく、業績貢献は16週続く。
12週の推定稼働は20,000発。台粗利は5000円。資産価値は暴落しない。
これが導入三日目で描くデータサイエンティストの見解です。
抜群の初動に対して、そこまで高い評価ができないのは、現状業績の20%を占めるパチスロ流入です。
冒頭の需要測定の際に、ガンダムシード4万台導入時の業績を4万1000稼働、台粗利1万1000円と想定し、実際の実績も同等であると書きましたが、この計算にはパチスロ流入は考慮していません。これは純粋な4円パチンコファンはそれほどガンダムシードに向かっておらず、パチスロファンに助けられての業績であると解釈するのが妥当ではないでしょうか。
移り気なパチスロ流入ファンはどのようなタイミングで次機種に移り、どのようなキッカケで離脱するのか?ガンダムシードの行方のカギを握るパチスロファンを含めて、どのような価値提供をしていくべきか考察をしていきましょう。
初回300発比率や時短中TSの変動など、スペックについての意見は様々でしょう。特に初当たりのショボ出玉は牙狼レッドレクイエムで苦い経験があるため、私的には共感し難いのが本音です。しかし、そのような議論以上に【通常時の品質管理】のほうが直接的な顧客体験を作ります。どのようなスタートがどのような顧客反応を作り上げているかをスタートと顧客反応という二つの数字で整理していきましょう。
注目すべき点は、ガンダムシードにおいて高スタート帯域にてスタートと顧客反応の相関が少ないということです。スタートを上げても顧客の体験価値はあがらない。長い演出と演出頻度が特徴のガンダムシードはベースを重視した千円スタート管理で提供することが顧客体感向上のポイントになるのではないでしょうか。
外的影響をうけるのは次期シン・エヴァンゲリオンはもちろんのこと、スマスロまどか☆マギカやスマパチSAOという見方ができるでしょう。
晩秋まで4円パチンコでの業績貢献が見込まれるため、低貸における早期の移設をする店舗は少ないと思います。裏を返せば、低貸中心で集客をかけたい店舗。成長期真っ只中である低スロの成長速度を加速させたい店舗はガンダムシードの積極導入は集客要因になると思います。合わせて諸事情により暴落中のエヴァ咆哮との同時強化などは閑散期の戦略にド・ストライク!!!かと思います。
※ストライクとはガンダムシードの中で主人公キラ・ヤマトが搭乗する機体の名称。ストライクは後にパイロットをキラ・ヤマトからムウ・ラ・フラガに変更される。ストライクを起動するOSの名称がSTRIKE General Unilateral Neuro-Link Dispersive Autonomic Maneuver Synthesis Systemと呼ばれ、キラ・ヤマトが頭文字を繋げGUNDAMと呼び、ストライク・ガンダムという通称がつけられた。
想いだけでも力だけでも
ガンダムシードの導入評価とその視点は人により、組織により様々でしょう。投資対効果をガンダムシードの導入費用と獲得粗利でみるところもあれば、ガンダムシード導入までの導入費用(キレキ)と総獲得粗利でみるところもあるでしょう。
いずれにせよ、成果というのは与えられるものではなく、責任のある選択の積み重ねで勝ち取るものです。どんなに購買力があっても守銭奴であれば魅力は届かず、どんなに愛があっても導入台数が違えば愛は重荷になります。
機械台の目的はパチンコファンからの集金装置でもなく、メーカーへの忠誠の証でもなく、ファンの創造と末永い業界の存続のためにあります。
※敵軍でもあり親友でもあるアストン・ザラとの死闘から生還し傷を癒す過程、キラ・ヤマトは戦う大義を殺される前に相手を殺すのではなく、平和を守る為の戦いと見つめなおします。しかし既にストライクが大破し、戦う機体がありません。そこでラスク・クラインは戦う大義を見直し、平和を得る為に悠然と立ち向かおうとするキラ・ヤマトを警備網を潜り抜けてザフト軍の最新鋭機【ストライク・フリーダム】へと誘導します。ストライク・フリーダムを前にして戸惑うキラ・ヤマトに対してラスク・クラインは言葉を投げかけます。「想いだけでも…力だけでも駄目なのです。だから…キラの願いに、行きたいと望む場所に、これは不要ですか?」
最高のコーディネーターであり、プログラマーであり、データサイエンティストであり、最高に優しい男、キラ・ヤマトは顔を上げ、強い意志でこう答えます。
私はエヴァに乗りたい。
この記事を書いた人
ノンブル・マーケティング代表
斎藤 晃一 Koichi Saito
大手ホール企業で培った分析・マーケティング力を武器に、出店や既存店強化などを支援する