喜びの共有とミラーニューロン -実践主義マーケターからの提言-

レムからのプレゼント

メリークリスマス。
クリスマスプレゼントはどのように渡されたいですか?もちろん、サンタさんが夜中にそっとクリスマスツリーの下にプレゼントを置いてくれることに勝るものはありません。

しかし、大人になるとバレンシアガの大きな包みをベットの中に隠し、愛や欲や下心なども包み隠し、ケータリングのチキンとシャンパンでスマートなサイレントを装うナイトは、ベットカバーが捲られプレゼントが露になると喜びの対価の大きさの分だけの鐘が鳴り続ける。
そんな打算的な港区的クリスマスを繰り返すと、プレゼントの持つ真の意味を見失いがちになってしまいます。

例えば表題の絵ではレムがクリスマスプレゼントを両手にもって、純真な笑みでプレゼント差し出しているはずですが、打算的なクリスマスを過ごしすぎると、プレゼントの中身は偽・吉宗、冴えカノ、忍玉の特別購入権であり、喜びの共有をするのに必要なチケットにみえてきてしまいます・・・。

いやいや、そうであるはずがない。レムは、今年一年頑張ったあなたにリゼロ2という普遍的かつ長期的なバリューを持ちながらも、鬼がかりと併用可能な最上のマシンを、心を込めてプレゼントしているのです。

ありがとう。リゼロ2
ありがとう。大都技研。

さらなる固定島の登場、スマパチの可能性、パチンコの存在価値の継続といった様々な喜びを皆さんでまずは共有しましょう。

リゼロ2により守られたパチンコの強み

リゼロ2の登場は、パチンコの未来への光を確実なものにしました。例え今後シンエヴァがどれだけ成功しようとも【現状の延長線上のスケールによる成功】に過ぎず、スマスロ登場以降の【パチンコ新世紀】を切り開くのはリゼロ2だろうと思います。

パチンコ新世紀を語る上で欠かせないのがスマパチ(1/349)の価値創造で、1/349の投資リスクに見合うリターンをCタイムで表現することは未だに実現していませんが、MY性能(出玉排出能力)で1/319を明確に上回ることにリゼロ2は成功しています。

例えば貸玉金額換算で10万円分の出玉を排出する確率は32%超となり、鬼がかりの25%エヴァ咆哮の26%、eSAOの29%を大きく超える結果になりました。またスマスロの人気機種からくりサーカスの27%、ヴァルヴレイヴの25%を遥かに凌ぐ数値となります。
※スマスロの魅力はコンプリート頻度や5000枚以上の出玉頻度という独自価値を有していることが大きいでしょう。

出玉排出速度も時速5万発以上、パチスロ純増枚数に換算すると10枚以上とパチスロ現行機で最速のヴァルヴレイヴの7.7枚を大きく超えています。リゼロ2の登場によって、スマスロの射幸性という驚異に晒されていたパチンコは【瞬発力と爆発力】という強みを取り戻しました。

なぜリゼロ2はスマパチ普及のキャズム(ヒットの障壁)を乗り越えられたのか

ヒットのカギはイノベーターやアーリアダプターなどの初期購買層についた購買意欲の火がアーリーマジョリティと呼ばれる保守層に燃え移るか否かがポイントです。
この新奇性に反応する初期購買層と、リスクを冒したくない保守層の間には巨大な溝(キャズム)が広がっており、多くのケースが溝(キャズム)を超えられずに廃れていくことになります。
パチンコ業においては新商品の投入(年間80タイトル)のうち保守層まで反応する爆発的ヒットをする機械は年間一機種あるかないか程度ですから、ヒット率は1%~2%程度となるでしょう。業界を代表する看板機種の登場はそれだけ狭い関門を突破しなければならないため、中古価格が定価の10倍で取引されていても驚くべきことではありません。

それほど看板商品として定着することは困難なことなのですが、リゼロ2はどのようにしてキャズムを超え、看板機種として定着しようとしているのかをマインドフローをベースに考察してみましょう。

リゼロ2と義風堂々を立ちふさがる壁

看板機種を育てるために、まず思い描くのは花形営業や出玉還元を思い描きますが、キャズムを超えるのに出玉率はほとんど関係ありません。そもそも安売りをしなければ広まらない商品では大衆の心を掴むには力不足です。人々を惹きつけてやまない魅力こそ、集客の原点であり、稼働の推進力です。

マーケティングの基本ロジックは、価値を作り⇒伝え⇒伝わるとなります。惹きつけてやまない魅力×魅力の伝播が広がるほどにファンが拡大していきます。

初期購買層(新台に反応する人々)はトレンドを集める達人ですから【情報を自ら入手し行動】に移しますが、保守層(失敗を防ぎたい人)になるほどに世論や口コミなど【身近な情報に左右される】傾向にあります。
ですからヒットには、必ず熱狂の伝道師が必要なのです。

惹きつけてやまない魅力の一つにスペックがあります。近年の爆裂スペックを並べるとリゼロ以上に義風堂々の3000発×約70%の連チャンが私を惹きつけるのですが、実際のMY分布はリゼロ2に軍配が上がります。

その格差の正体は、集客と稼働の他ありません。稼働があれば、パチンコホールには玉が溢れ、出玉ランキングには刺激的な数値が並びます。それらの情報は人の興味を惹きつけ、遊技意欲を駆り立てます

情報で動く人は少数です。大半の人の購買意欲は情報ではなく、体験からでしか意欲を刺激されません。繁盛店に人が集まることも、繁盛店の人気機種が稼働することも、繁盛店が安価に使っているわけでもなく、繁盛店の情報発信が上手いわけでもなく、繁盛店の環境が勝手に顧客の投資意欲を刺激しているだけなのです。

ですから繁盛店のやっていることを猿真似しても、繫盛店以上にコスト(出玉還元や情報発信)をかけても、稼働がなければ成果につながらないことは明白です。リゼロ2とその他機種に巨大な壁が存在しているように、繁盛店と不振店の間にも超えられない大きな壁があります。

それは刺激と体験です。
そして体験から得られる感激です。

シゲキ、タイケン、カンゲキ、シゲキ、タイケン、カンゲキ、カンゲキ、シゲキ、タイケン、カンゲキ、シゲキ、タイケン、カンゲキ、シゲキ、タイケン、カンゲキ、カンゲキ、カンゲキ、シゲキ、タイケン、カンゲキ、タイケン、カンゲキ、カンゲキ、カンゲキ、カンゲキ、カンゲキ、カンゲキ、シゲキ、タイケン、カンゲキ

あー、頭の中にあのお方の名言が81%ループで時折カンゲキの3000発と6000発と9000発の攻撃が混ざり、脳みそが破壊されそうです。

ウォールタイカン(体験の壁)をミラーニューロンで乗り越えろ

関東の某店では北斗暴凶星80台で圧倒的な刺激・体験・感激を生成しています。これを戦術的に模倣したところで、集客と稼働が作れなければ顧客の遊技意欲を引き出すことはできません。リアルに実行すれば5000万円程度の特別予算がなければできないでしょう。多くの場合、予算確保と実行はできないはずです。

しかし、諦める必要はないのです。リアル体験を作れなくとも、ウォールタイカン(体験の壁)を乗り越える方法を共有しましょう。

サルとヒトには見たものをあたかも自分の体験のように感じとる特殊な能力が存在します。それがミラーニューロンと言われる神経細胞の力です。

恋愛ドラマを見れば、あたかも主人公と同じ体験をしているかのように感情は揺さぶられます。また成人ビデオを見ればヒロインの相手になったように感情は昂ぶり、爆発させることができます。

理性では制御できない体験は、顧客の行動を強化し、購買へと向かわせます。

今から8年前、三上悠亜によって射精心を刺激された世の男たちによって、街のDVD屋には熱気が宿りました。
リゼロ2の超強欲9000発という体験はSNSを通じて瞬く間に拡散されました。
赤の他人の【超強欲9,000発大逆転物語】は、ミラーニューロンによって知らぬうちに自分の物語へとすり替わります。機械台が沈黙し大負けを期したサイレントナイトに蘇るのは【超強欲9000発大逆転物語】であり、リゼロ2に着席した瞬間から、頭の中ではコンプリートを祝福する鐘の音が聖なる夜になり響いているのです。

ティックトックで日々拡散される超強欲によるドラマティックな体験により、益々リゼロ2信者が生産され続けられることでしょう。

パチンコ業界は年間80タイトル程度の新台が投入され、3年以上の活躍が見込める超ヒット機種が登場する確率は1%~2%ほどです。多くの機械が登場から一年以内に役割を終えることを考えれば、機械台販売価格の8倍程度であっても安いと捉えることもできます。
仮に導入が低貸であっても。台粗利3000円×6年で657万円ですから400万で購入しても理論上は営業利益貢献することになります。

問題はリゼロ2の持つバリューの普遍性ということになります。

超強欲から始める大逆転生活

様々なトレンドが生み出される北の大地では飲み会の後にラーメンではなく、パフェで締める【シメパフェ】という文化が生まれました。
ジンギスカン⇒シメパフェの流れ、最高ですよね。
近年のパチンコの好調要因の一つがシメパチという遊びです。リゼロ2の登場によって、パチンコ業界にもパチスロで楽しんだ後にパチンコで締める、シメパチという文化がさらに定着しつつあります。

ジンギスカン屋で二~三時間4千円で楽しんだ後、1500円くらいのパフェを30分位楽しむ。という流れを時間粗利 (笑)で表現すると、飲む喰うの時間粗利が1500円に対し、シメパフェの時間粗利は3000円というどこかの構図と近しい数字が浮かび上がります。

わたし達パチンコ業界では4円パチンコの時間粗利が1500円程度に対して、20円パチスロの時間粗利は800円程度です。ならばパチンコはパフェであり、パチスロはジンギスカンだと半ば強引に言い換えることができます。

そうです。パチンコは楽しいスロットライフを締めくくる、短時間でガツンと心と身体に響き渡る最高のデザートだったのです。
そしてシメるに最もふさわしい機械が、超強欲を有する超大逆転台であるリゼロ2ではないでしょうか。シンエヴァ登場によりエヴァ咆哮と合わせたエヴァの客数比率は一時25%に達しました。その一方でシンエヴァ大量導入店の朝一集客に苦戦する店舗も散見される状態です。

数多くの導入がなされたエヴァは最重要コンテンツであることに違いはありませんが、他店と差別化は値決めでするほかありません。

台数が限られているリゼロ2は益々その希少性を高めることでしょう。
さぁ、現金の準備は整いましたか?
80台×400万円=3.2億円で始めるリゼロによる大逆転生活。
始めるなら今です(笑)

この記事を書いた人

ノンブル・マーケティング代表
  斎藤 晃一  Koichi Saito
大手ホール企業で培った分析・マーケティング力を武器に、出店や既存店強化などを支援する