インバウンド受け入れ施策、次の一手は『まどマギ』!

ご存じの方はこんにちは、はじめましての方は始めまして。
Global Pachinko株式会社の長北(https://x.com/global_pachinko)と申します。

ひとまずお前は誰やねんという感じだと思うので、サラっと自己紹介を。

元はパチンコツアーと称して訪日客をパチンコ店にご案内するお仕事を本業としてやっていたのですが、色々試してみたところ、ツアー要員を増やすのが難しかったため、ひとまずお休みして、他の方法でパチンコ店さんをお手伝いしようとしているところです。

他の会社さんも絡んでしまうので、詳細についてはあんまりお話できないタイミングだったりするのですが、数ヶ月以内にどこかのホールさんで会社名を見て頂ける、とは思います。とりあえずは『日本で一番、外国人をパチンコ店に連れてきた人』くらいでご認識ください。通算で、だいたい300名ほどお連れしました。

その目線で、今のパチンコ店が訪日客を受け入れるにあたって、何が不足しているのか、何をすれば解決するのか、というところを中心に書いていこうかと思います。

インバウンド対応店、増えてきました・・・が。

ここ数ヶ月、特に東京、大阪近郊にお住まいのみなさまは、パチンコホール内で”Welcome”、”Japanese Pachinko!!”、このようなポスター、パンフレットを見る機会が増えているかと思います。

こういったパチンコ店さんの訪日客受入の努力は2年間のステマのお陰、というわけでもなく、国内で新規顧客の見込みが立たなくなった業界全体としては、必然の動きと言えます。これはパチンコ業界に限った話ではなく、日本全土がインバウンドマネーを奪い合う、大戦国時代となりつつあるわけです。

とはいえ訪日客の誘致に成功しているホールさんはほぼ皆無です。

今年に入ってから『How to Play Pachinko(パチンコの遊び方)』等のパンフレットの作成、設置を始めたという法人さんが殆どですし、コロナ禍の最中に必死で準備を進めてきた他業界と比較したとき、およそ4~5年ほどのビハインドを背負った状況であると考えると、さもありなんと言ったところでしょうか。

もう少し強い言い方をすると、他業界が血眼で営業戦略を立て、優秀な人材の奪い合いをし、大勢に決着が見えてきた、としている中で、ようやく看板を出し始めたというのが、パチンコ業界におけるインバウンド受け入れの現状です。

看板を出した法人さんについては、『やってみたものの、全く売上には繋がらない、一体何故だろうか。外国人にとって、パチンコは面白くないんじゃなかろうか?』、というのが感想だと思います。

ですが、訪日客の立場に立って、改めて状況を鑑みてください。

大当たり確率不明、貸玉料金不明、連荘確率不明、そもそも当たったらどうなるのかが不明、何時間程度、幾ら持っていけば遊べるかもわからない、謎の機械が稼働するか?という話です。それ以外にも原因は多数あるんですが、あまりネガティブな事ばかり書くのも精神衛生上宜しくないですし、一旦ひとつひとつ解消しましょう。

まずは数機種、訪日客向けに特化しよう

という訳で本題です。飲食店と違い、1機種外国語で説明するだけでもそれなりの労力がかかりますし、毎月十数台新しい台が導入されてきます。資料を作ろうにも版権の問題があって軽々しく使えなかったりするわけです。

まずはいくつか『オススメ商品』を作って、それをひと言語、具体的には英語で説明する、という努力が、最初のステップであるべきです。

そしてその数機種の中で最もポテンシャルを秘めているのが、タイトルでも挙げた

まどか3?もう検定満期ですよ?

スマスロ劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[前編]始まりの物語/[後編]永遠の物語f-フォルテ-

です。

P魔法少女☆マギカ3の事だと思いましたか?なんでまだまだ稼働がついていて、中古市場でも大人気の台を、がんばって訪日客に打ってもらう必要があるんですか?

と、冗談めかして書きはしたんですが、実は『インバウンド顧客に遊技してもらう』という前提であるならば、色々な条件をクリアした、とても優秀な1台なのです。

具体的に書くと

・販売台数が多く
・コンテンツの海外認知が高く
・ゲームフローが極端に難しくなく
・安い

特に最後は重要ですね。機械が高かったり安かったりする原因(=既存プレイヤーに受けなかった)も、外国人を対象とする前提であれば完全に無視できますし、高価な機械を入れるメリットがほとんど無いわけです。

ホールさんの立場を鑑みると、『売上が逆に下がるリスクを内包した施策に、幾ら出せるの?』という話なわけで、機械にかけている余裕はない、というのが本音だと思いますし、実際、機械以外にも内装、店内アナウンス、従業員教育、広告費などなど、それ以外にかかるコストはそれこそ無尽蔵です。

更に言うと、対応言語をひとつ増やすごとに、それが倍々に増えていくわけです。

それであれば最低限のコストで、やるべき事を一度試してみる。例えば機械はLまどかを5台、その他5台として、そのコーナーだけ一旦英語で遊技説明を置いてみる、というのが次の一手と言えるのではないでしょうか。

インバウンド戦線はまだまだこれから

書いた以外にも課題は山のようにあるインバウンド受け入れ問題ですが、何よりも大事なのは『小さく』進めて既存顧客へのネガティブな体験を回避し、従業員の負担を増やし過ぎず、ナレッジを貯めていくことです。

必然的に、特に環境整備の面においては長期戦になるかと思いますが、上手く行けばパチンコが外貨をしっかり稼ぎ、日本の問題である『訪日客は多いが、消費額は少ない』を解消する、日本にとっての救世主になることもある、かもしれません。

余裕がある法人さんはゆっくり確実に、明日をも知れない法人さんは大胆に、色々な施策が進んで行くことを期待しております。