ミスパールに学ぶ弱小店舗の生き残り戦略 -実践主義マーケターからの提言-

4Pを楽しんでいますか?

クラブ活動は再開されていますか?六本木ならば、バーレスク?マハラジャ?レッドドラゴン?大人の2P、3P、特に4Pはコミュニケーションスキルアップに役立ちますよね。レッスン料はそれ相当にお高いですが。

マーケティングにも4P戦略というものがあります。
4Pはもちろん、4名でどのようにいたすのかを考えるではなく、顧客に貢献するサービスを構築するためのもの。

  • Product(製品戦略)
  • Price(価格戦略)
  • Place(流通戦略)
  • Promotion(プロモーション戦略)

という頭文字にPが付く4つの活動をまとめて称したものです。

マーケティングの大原則は、【誰に何をどのように】貢献するか?です。そのためには、コンセプト(貢献)とターゲッティング(誰に)を描いたのちにも、4P戦略で(何をどのように)を具現化します。

様々なクラブにも、コンセプトとターゲット、それを具現化する4P戦略が存在します。
私が勝手にイメージするコンセプトは、
バーレスク東京は、見返りを求める現ナマAKB
マハラジャは、旧バブル勝組世代の竜宮城
レッドドラゴンは、スーパー賢者タイム

それをどのように4Pに落としているかは、是非クラブ活動を通じて分析をしてください。

パチンコ業における4P戦略

顧客に選ばれるためには、コンセプト、ターゲティング、4P戦略は必須です。
もちろん、マーケティング思考がなくても、近くて便利だからという素晴らしい理由で顧客に貢献し、選ばれることも事実です。
しかし市場は縮小し、機械の同質化が進行する時代の中でマーケティング思考のない店が生き残る(顧客に必要とされる)可能性は極端に低くなります。

パチンコ店の4P戦略をまとめれば下記のようになります。

そんなことは常識だと思われる方、七面倒臭いと思われる方、そんなこと関係ねぇと思われる方、様々だとは思います。

簡単に言えば【顧客に対する想いと情熱】がない店は淘汰される。というシンプルなものなのですが、ロジカルに構造化すると小難しいマーケティングロジックができあがります。意識高い系の戯言はハッキリ言って私も嫌いです(笑)

ライバル店より4Pは素晴らしくなければいけないのか

マーケティングをする際にライバルと比較しながら、客数、機種構成、遊技環境、店内設備を比較し一喜一憂する必要もありません。
比較すべきはコンセプトと提供している価値、それを体験する顧客の感情です。顧客は良質な体験と良質な感情を繰り返すことにより、最終的に経験を得ます。そして素晴らしい経験を得た場所に、サービスに必ず戻ってきます。

間違ってはいけないのは、ライバルと比較し、良質な4P戦略を整えたところで、それを通じて良質な体験と感情を持たなければ成果は増えないということです。

ゆえに4P戦略は誰かと比較する為の道具ではなく、顧客に良い経験を積んでいただくために4Pを徹底的に突き詰める必要がある。

4P戦略(マーケティング)は顧客のためにあるのです。

ミスパールの4P戦略

場所は変わって大阪なんばのミスパール。お昼から出勤のレディさんは地域最大級の40名。
ザ・庶民のキャバレー。今なら昼のみならばビールもついて60分4000円。
やすい!!六本木の10分の1!!!!
暇な時間などは多様性に溢れるレディさんがテーブルに押し寄せ、まさに4P(客とレディ3名)の宴の扉が放たれます。

4Pの宴にはマニュアルや下心や駆け引きや空気を読むとかはありません。
自分の言いたいことを言いたいように言い合う。まさにカオス。これはマニュアルや仕組み作りではできないサービスです。

暇ならば客と遊べばいい。普段できないサービスを徹底的にやればいい。そんな遊び心とサービス精神がなければできないでしょう。

高級クラブは相手の裸(人には見せない一面)を想像することにより熱量を帯びるのに対し、ミスパールは自分が裸にされる(見栄、虚勢の必要のない世界)ことにより熱量を帯びていくように感じます。

そして店主の方は語ります。
「うちは質ではなく量だ」

質ではなくて量だ。
量は熱気だ。
熱気は活力だ。
そう断言し微笑む様子に、熱烈な4P戦略を感じたのは言うまでもありません。

ミスパールの4Pは、新入社員~街の社長さん(ターゲット)に、個性的で幅広い年齢のレディ(プロダクト)が、思い立ったらいつでも(昼からも、良心価格で)、ベロアのソファと豆球が煌めく懐かしく非日常の昭和な空間(プレイス)で、印象に残る貝をかたどったミスパールのネオンサインと共に、50年間下町のキャバレーとして皆様を待つ(プロモーション)といったとこでしょう。

顧客に選ばれることは、競合と比較してより良いものを提供することではありません。
むしろ競合に足りないものを自分たちの経営資源(店、台、仲間、顧客)をフル活用しながら顧客にここでしか味わえない体験と感情を作ることです。

突破口はいくらでもあります。
その為ために、皆様もクラブ活動に励んでください。

それから良いクラブがあればtwitterでDMお待ちしております。マーケティングリサーチさせていただきます笑

この記事を書いた人

ノンブル・マーケティング代表
  斎藤 晃一  Koichi Saito
大手ホール企業で培った分析・マーケティング力を武器に、出店や既存店強化などを支援する