Sチバリヨ３０ -とある開発者の独り言-

ネットさんから６月に登場した「Sチバリヨ３０」。
開発職域では導入前はそこまで話題になっていなかったように思いますが、蓋を開けてみれば同時期の新台の中でも抜群の高稼働！
稼働が大きく垂れることなく約４ヶ月経ったこの１０月に全国的に増台もされ、さらに長期貢献することは間違いないですね。

そんなチバリヨについて、開発目線で思うところを書いてみようと思います。
毎度恒例ですが…
解析とか立ち回りとかそういった内容は別のサイトさまでご確認いただくとして、あくまで開発に属するいち個人の主観というところをご理解いただけますと幸いでございます。

それでは、まずはメイン仕様上の特記事項から。

低ベース仕様のゲーム性への落とし込み

本機は６.１号機。有利区間は１５００Ｇ。
そしてベースは約３３.７Ｇです。

「６号機の低ベース化」の記事でまとめた“④偏りベルタイプ”の手法でしっかり低ベースの設計となっていますね！

削ったベースをＡＴの出玉に回すということだけでなく、液晶機と比べて通常時の遊びが少ない沖スロにおいて通常時の滞在比率を下げるということは稼働に直結するとても大事な要素だと思います。

“偏りベルタイプ”ですので、中右リールを第一停止するとベルが揃いやすくなる代償にＡＴ抽選が弱くなるわけですが、本機は変則押しすると「チェリーが出現しなくなる」とのこと。

本機で非常に重要な役割を担うチェリーですが、その正体は「疑似遊技」。すなわち「リールを使った演出」です。成立フラグとしてチェリーは搭載していません。

チェリー自体でＡＴ抽選をしているわけではなく、ＡＴ抽選は前Ｇで行われていてその抽選の結果をリール演出＝チェリー出現で表現しているという形です。

変則押しをするとＡＴ抽選が行われないため、抽選がされている証拠であるチェリーが出なくなる　ということなんですね。

偏りベルによるペナルティが自然な形でゲーム性に落とし込まれていて違和感なく理解できる。よく考えられている素晴らしい仕様ですね！

本機のゲーム仕様はその疑似遊技によるチェリーが中心となっており、チェリー後最大３２Ｇの前兆を経て疑似ボーナスに当選。また天井もチェリーの規定回数到達で疑似ボーナスに当選する作りとなっております。

レバーで全てが決着するのが沖スロの基本かと思いますが、

といった、当該レバー以降の停止や複数ゲームにまたがって当りに期待する要素をゲーム性の中心に持ってきたのが、本機が高稼働を維持している大きな要因の１つではないかなと思います。

また、

というかつての沖スロのチェリー連ｖｅｒ的な遊ばせ方。これが素晴らしい！
チェリーが連続してる時のキテル感・もらった感。
たまたま素でチェリー引いたのかも…
いやいやこれ本物でしょ！といった期待感。

虚無になりがちな沖スロの通常時が、チェリーが疑似遊技になっていることでまるで裏●ノのようなドキドキ感の続くゲーム性になっています。

きっと開発陣は昔の裏●ノを参考にゲーム性を組み立てていったんだろうなというのが伝わってきますが、実は沖スロ以外の通常のＡＴ機開発においても裏●ノをイメージすることは多いです。
先人の何にも縛られない自由な発想は本当に参考になります。

少し話が逸れましたが、最後は出玉について。

詳細な解析数値が公開されていませんので推測の域は出ませんが、有利区間リセット時は５０％以上で天国準備以上のモードへ移行。

通常モードはハマりやすく、当たった後も連チャンしづらい模様、とのこと。
つまり有利区間の頭に出玉を集約したバランスとなっています。
絶対衝激などと同じ思想ですね。

６号機は有利区間の関係上規則的な波を描きやすいですが、頭の出玉を強くすることで予測不能な波を作ることができます。

その分適合率は低くなると思われますが、その狭き門をくぐり抜けて来たおかげで実際の市場でも大きな上振れ・下振れを見ることが出来るのです。
開発陣の努力に敬服！

ということで、チバリヨについて開発目線で思うままにまとめてみました。
メーカー各社５号機沖ドキのシェアを獲得すべく多くの機種がリリースされてきましたが、本機の高稼働によってネットさんが大きくリードする結果となりましたね。

他メーカーさんも追従すべく沖スロタイプの開発が活発になっていくのではと思います。
6.1号機のチバリヨでこれだけの実績を残せているのですから、6.2号機あるいはその先と考えれば、多くの機種がリリースされ、ヒット機が出てくることも想像に難くないですね。

ヒット機の出現で業界全体が活性化していくことを期待したいですね！