6号機の低ベース化 -とある開発者の独り言-

11月、12月の新台にて各社から6.2号機が続々と発表されてきていますね!
サミーさんや大都さん、オリンピアさんなど大手メーカーさんから力の入ったタイトルも出てきますので期待が高まります。

過去の記事で「6.2号機になって出来ること・有利区間が3,000Gになることによるメリット」を簡単にまとめましたが、これらの機種にも当然そのような要素が搭載されていることでしょう。
(「【おさらい記事】6.2号機の展望」はこちら)

また低ベース化が進み、より出玉性能の高まったスペックにも要注目です!

5号機と比べても遜色ない程にベースを下げることが出来るようになってるけど、中身はどうなってるの?
というところが気になる方ももしかしたらいるかなと思い、今回は6号機における低ベース化の手法や特徴を簡単ではありますがまとめてみたいと思います。
一言に低ベースといってもいくつか型がありますので、実際の機械を例に順を追って解説していきます。


5号機時代に行政から「ペナルティはけしからん」という指導が入って以降、6号機になっても「ペナルティ無し」の機械開発が続いていました。
そんな中、6号機で初めて大幅にベースカットされて登場したのが「S蒼天の拳朋友」!(チェインクロニクルを更に進化させてきたタイプでした)

①目押しでボーナス外しタイプ

蒼天の仕様については以前にSガメラの記事でも軽く触れましたのでそちらもご覧ください。
(「Sガメラ」はこちら)

一般的なAT機と異なりリアルボーナスで出玉を取らせるため、通常は小役確率を下げることができ大きくベースカットすることが可能です。
ただし、通常時は自力でボーナスを外す・ATでは自力でボーナスを揃える必要があり、常に目押ししなくてはならない煩わしさが付き纏います。

また建前上「ペナルティ無し」ではありますが、誤ってボーナスを揃えてしまった際に長いゲーム数ボーナスから抜け出せなかったり、RTが再セットされてしまったり、実質ペナルティとも言える仕様となっていたため「ボーナス揃えてヤメ」という次の遊技者へのいやがらせのような行為が発生してしまう状況になってしまいました。

このようにデメリットが多い反面、ベースカットの効果が高くかなり尖ったスペックも設計可能で、出目の自由度も高いというメリットもあるタイプでした。

その後ほどなくして、「Sモグモグ風林火山」で新たなベースカットの型が登場します。
これも開発内では注目度が高い仕様でした。

 

②押し順でボーナス外しタイプ

1枚役を組み合わせて、押し順によってボーナスが揃う・揃わないをコントロールするタイプです。

通常時から押し順ナビを出す必要があり、ナビに従えば1枚役が揃いかつボーナスを外せる・ナビに従わなければ1枚役を取りこぼしボーナスが揃ってしまう可能性があるという仕様です。
ペナルティ無しにも関わらず遊技性をほぼ損なうことなくそこそこのベースカットが出来る、画期的な仕様でした。
ただし1枚役が揃う都合上ベースをカリカリに削ることは難しく、純増も4枚程度までしか上げられないという特徴があります。

その他の機種では、「Sモンキーターン」などもこのタイプですね。
「S絶対衝激Ⅲ」はさらにボーナスを複数持つことで朝イチの特典を付けた、このタイプの進化形でしたね。

「ペナルティ無し」という縛りの中で生まれた低ベースの型は大きく分けるとこの2タイプでした。

その後、当該ゲームのみのペナルティが認められることとなり、ペナルティを搭載した機械を “6.1号機” と称するようになりました。
(他にも疑似遊技とかビデオリールがOKになったという点も6.1号機の特徴ではありましたが)


そんな中、先行して市場投入されたのはこちら↓

③少枚数ナビタイプ

「S北斗宿命」や「Sアイドルマスター」がこのタイプに当たります。

ペナルティ用のフラグを設け、押し順ごとに
 15枚役が揃う or 1枚役が揃う
といった形で構成されており、

通常時は
 1枚役が揃うとAT抽選が強く
 15枚役が揃うとAT抽選が弱くなっており、

1枚役が揃う押し順をナビすることでベースカットを実現したタイプです。
 ※払出枚数は一例です

②と同様に通常時から押し順ナビを出す必要があり、またメイン小役とは別にペナルティ用のフラグを設ける必要があるため極端に攻めたベースカットは難しいですが、一方でゲーム性への影響は少ないため比較的自由な設計が可能でした。

ところがペナルティの詳細が検討されていく中で基準が変わって行き、このタイプは淘汰されていきます。

というよりこのタイプよりもメリットが強いタイプが認められたため、このタイプを採用する理由がなくなったといってもよいかもしれません。


今後発表される低ベースAT機の多くはおそらく次の型

④偏りベルタイプ

押し順ベルのフラグが
 左から押すと0or1枚、中右から押すと1枚or15枚
といった構成になっていて、

通常時は
 左から押すとAT抽選が強く
 中右から押すとAT抽選が弱くなっており、

順押しで遊技することによりベースカットを実現するというタイプです。
 ※枚数は一例です

紆余曲折あって、結局5号機以前と同じ型に戻ってきたということですね笑
通常時に押し順ナビが出ることがなく、仕様や出玉の制限も少ないなどメリットが大きく、かなり攻めた出玉設計も可能です。

気を付けなくてはいけないのは、
あくまで順押し”推奨”という建前を保つ必要があり、通常時に変則押しした際、5号機のように遊技機の方で警告画面や警告音でプレイヤーにお知らせする、ということがしづらい点

台上や台間のPOP、WEBサイト等で周知して浸透させていく必要があるのではないかと思います。
とはいえ、スペックもゲーム性も開発としては最も都合が良く、組合・行政も認めているタイプですので、今後はこの型が主流になっていくでしょう。
導入が増えてくれば、左1stの打ち方が自然に浸透していくようにも思います。

現在ヒットしているチバリヨ30などもこのタイプですよね。
また、現在営業中の新機種の多くはこのタイプになってきています。


ということで簡単ですが、低ベース機の概要まとめでした。

実際、11月以降に導入予定の6.2号機は「S牙狼」をはじめ、かなり攻めた・尖ったスペックが発表されてますよね。

今後も出玉性能の高い機械が登場してきて業界の活性化に期待する一方、ホールさんやプレイヤーの皆さんに正しく仕様を理解していただくよう開発・メーカー側も配慮しなくてはいけないなと改めて思う次第です。

パチスロも少しづつ明るい兆しが出始めています。期待してください!!