過去記事「【解説】技術上の規格解釈基準改正」にて書かせていただいた通り、4月22日よりコンプリート機能を搭載した6.5号機の申請が開始されました。
有利区間ゲーム数4000ゲームor無限、差枚2400枚という性能の緩和に対して、コンプリート機能によって「出っ放しにならない」性能とすることを行政とも握った上で進んでいるわけですが、実はもう一つ組合内で追加された6.5号機の規制があります。
それが「一撃3600枚規制」です。
今回はその内容について、簡単ではありますが解説していきたいと思います。
一撃3600枚規制の概要
5号機時代から「最大基点からの一連増加区間での獲得期待値が3000枚を超えない」ことを計算して記載した書類を提出する必要があることをご存知でしょうか。
今回の3600枚の件も基本的にはそれに類する話で、
「一撃で大量の出玉獲得が確定する性能は著しく射幸心をそそる」ため規制をかけよう、という主旨です。
ちなみに規制の強さ・内容を簡単には変えられない順番で言うと
規則 > 解釈基準 > 内規・自主規制
となりますが、今回は内規自主規制よりもさらに一段低い「申し合わせ」。
違反した時の罰則等も特に明確には定められておりません。
過度な射幸性を抑制するための保険のようなものだと捉えていただいて差し支えないと思いますし、スペックや演出など機械の性能に与える影響はそこまで大きくはないと思います。
とは言え開発では抵触しないように留意しなくてはなりません・・・
質疑応答集で細かい内容について定められていっておりますが、簡潔にその内容をまとめたいと思います。
一の契機で3600枚を超える性能
まずは出玉面の規制についてです。
基本的には文字通りの内容ですが、一言でお伝えすると
一の契機の抽選にて獲得する上乗せ等で3600枚を超える性能を有するのはNG
という内容となります。
ここで言う「一の契機」は1ゲーム内での抽選で確定する分のみというわけではなく、最大基点となる抽選に当選した結果、その後のATで当選する上乗せの期待値も加味して計算されます。
例えば
純増3枚のAT機にて、最大基点となる1000ゲームのATに当選
①この時点で3枚×1000ゲーム=3000枚
※1ゲームで確定する分
その後のAT1000ゲーム中の上乗せ期待値が平均すると約200ゲーム
②最大基点後の出玉期待値 3枚×200ゲーム=600枚
※一連増加区間で獲得する分
①と②を合わせて一の契機での最大増加数という考え方となります。
化物語のような枚数管理タイプで超倍々チャンス+3600枚!は当然NG。
供託金のような大量獲得の権利を複数ゲームに渡って貯め込み、上乗せを決定するゲームではその当否のみを抽選します、といった理屈でもこれには抵触。
複数ゲームに渡って上乗せのループ抽選を行うといったタイプも一の契機じゃないじゃんという言い訳は通用せず抜け道にはならなそうです。
その他の詳細なケースは割愛しますが、広く「3600枚を超える一発フラグは持てない」というイメージで捉えていただければ問題ないと思います。
一の契機で3600枚を超える(ように見える)表現
また今回の規制は、出玉面だけでなく演出表現に対しても規制が入っております。
当該ゲーム内で3600枚相当の上乗せ等を獲得するのがNGであり、当然それを液晶等の演出で表示して告知することもNG、というのはお分かりいただけるかと思いますが、そうでない場合も一撃で3600枚を超える出玉を獲得したように見える表現を行うことはNGとなる事例があるとのことです。
具体的に例を挙げると…
内部的に上乗せしたゲーム数等を演出で告知せず裏に回して、表示上のAT最終ゲームでまとめて表示するいわゆる後告知タイプのような演出仕様で、貯めた上乗せゲーム数をまとめて表示した結果告知した上乗せが3600枚を超える
といった表現もNGになる可能性があります。
純増3枚・ゲーム数タイプのAT機で+1500Gドーン!!
といった場面は今後の6.5号機では見られないことに・・・
寂しくはありますが、上乗せを重ねてAT残り1500G!みたいなことは起こり得ますし、ゲーム数を全て消化しきった結果3600枚を超える出玉を一回のATで獲得することがあっても規制には引っかかりませんので悲観するような内容ではないかなと思います。
ということで一撃3600枚規制について簡単ではありますがまとめました。
今回ご紹介した内容についてもコンプリート機能同様、6.5号機において有利区間4000ゲーム・ゲーム数無限&差枚2400枚の緩和を実現するために、「ちゃんと射幸性が上がり過ぎないように配慮していきますよ」と納得していただくための材料ですので、肯定的な話だと捉えていただければ幸いです。
6.5号機の適合情報は続々と聞こえてきております。
ヒット機種の登場に期待したいですね!