2023年の振り返りと2024年の展望 -とある開発者の独り言-

新年明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します!
2023年も個人的にはあっという間でありましたが、パチスロ業界という観点でも色々なことがありましたよね。皆様にとってはどのような年だったでしょうか?

自分も開発の端くれでそれなりに多忙な日々を過ごさせていただきましたが、昨年の所感としましては「スマスロへの移行が進みハイスペック化が加速したが、射幸性の高さだけではプレイヤーのリピートには繋がらず各機種のクオリティ差により稼働結果の明暗がクッキリ分かれた」、そんな一年だったと感じております。

ということで今回は2023年を「四半期ごとの導入機種の稼働結果」の目線で振り返り、今年2024年がどんな年になるか個人的な予想・展望を書かせていただきたいと思います。
年初めに、流し読みいただければ幸いです。

2023年1月〜3月

2022年末にスマスロの導入が始まり、その出玉性能の高さに市場全体の盛り上がりを感じ始め、2023年は期待感のある立ち上がりだったように記憶しています。ヴァルヴレイヴを筆頭に、鏡なども長期稼働を期待させる挙動を続けていましたね。
それまでは各社スマスロとメダル機の開発が半々くらいだったのかなと推察しますが、スマスロの市場での評価を見て多くのメーカーがスマスロ開発に全振りしていく流れとなりました。
ということでこの時期の導入機種はまだメダル機がメインで、なかなか稼働の結果が付いてこない状況が続いていましたね。
唯一、1月に導入されたモンハンアイスボーンが稼働貢献16週程と比較的良い結果を残しました。

スマスロのヒット機種を待つ我慢の時期、そんなタイミングだったように思います。

2023年4月〜6月

そして4月初旬、間違いなく2023年No.1のヒット機種となる北斗の拳が導入されました!今年どころか6号機に移行してから一番の稼働を記録し正に業界の救世主となった、そんな印象を受けた方が多かったのではないでしょうか。
この時期は北斗導入で盛り上がりを見せた後もヒット機種の導入が続きましたね。
同じく4月に導入されたゴブリンスレイヤーも稼働貢献15週の大健闘。
5月導入の主役は銭形4はいま現在も稼働貢献中で主力機種となっています。
同タイミングで導入されたメダル機炎炎ノ消防隊も、導入当初こそ稼働が伸びませんでしたがスルメ台の挙動で30週を超えるロングラン。
SAOにゃんこ大戦争なども話題となり、北斗を皮切りに一気にスマスロ化が進み始めた時期でした。

2023年7月〜9月

7月になるとヴァルヴレイヴを送り出したSANKYOさんより更なる射幸性を引っ提げてからくりサーカスが導入されました。自分の周りでも瞬く間に中毒者を量産していった印象を受けましたね笑
一方で、同月に期待を背負って大量導入されたバイオハザードヴェンデッタがまさかの5週で平均稼働割れ。
その後も超高射幸でまずまずの結果を残したキン肉マン、ヴェンデッタ以下の結果に終わってしまった戦国BASARA、いま現在も稼働貢献中のグランベルム・戦国乙女4などと一進一退の状況が続きます。
スマスロ導入から半年が経過し、「スマスロだから売れる」「スマスロだから稼働する」という時期が過ぎ去ったことを実感する流れでしたね。

 

2023年10月〜12月

皆様も記憶に新しいであろう2023年の終盤。
10月のエヴァゴッド、11月のまどマギ、12月のリンかけと、そのタイミングに最も多く販売された大量導入機種がいずれも2〜3週で平均稼働割れする惨状となりました・・・
個人的にはこの3機種は平均未満の結果に終わるのではないかと事前に予想し、記事にもしていましたが、台数が多かったせいもあってか予想以上に稼働の落ちが早かったですね。過去の記事でも書かせていただきましたが、やはり適正台数かどうかが稼働に与える影響は大きいなと改めて感じました。

一方で、エウレカ・モンキーターン・マジハロなど長期稼働に期待出来る初動となった機種も多く導入されましたね。また直近導入のバジリスク絆2天膳は北斗に次ぐ初動となり、今後の主力機種となっていくことは間違いないであろうと思われます。

高い射幸性やタイトル・版権の強さも重要な要素ではあるものの、やはり稼働面においてはゲーム性や演出を含めた機械自体の総合的なクオリティが何より重要であると改めて痛感する結果となりました。

2024年の展望

大きくスマスロ化が進んだ2023年。それに続き、2024年はAT機・ART機はほぼスマスロでリリースされるだろうと予想しています。
それに比例して、比較的射幸性の低いメダル機が撤去されていき射幸性の高いスマスロの導入が進みスマスロの比率が上がることによって、市場全体のスペックが上がっていく・荒い方向に向かっていくだろうと思われます。

2023年のように射幸性の高い機械に偏重したラインナップでは、多くのプレイヤーはその荒波に着いて来れなくなってしまうのではないでしょうか。
徐々にシェアが減っていくであろうマイルドなメダル機を補うようなバランスの良いスペックのスマスロが望まれると思いますし、そんな中でもゲーム性、演出も含めトータルしてクオリティの高い機械が幅広い層に受け入れられていくだろうと考えます。

開発としてはハイスペックの追求ももちろん大事なことではありますが、遊びやすく間口の広い機械開発も進められていくべきだと思いますし、様々なタイプのスマスロが開発・販売されることで業界全体が盛り上がる方向に進んで欲しい、というのが2024年の展望・自分個人の希望的観測です。
自分も末端の開発者として、幅広い層のプレイヤーに楽しんでもらえる機械を世に送り出せるよう開発に励んでいきたいと思います!

ということで、2024年も新台の性能予想や導入後の考察をイチ開発者の目線でマイペースに書いていければと思います。引き続き、どうぞよろしくお願い致します。