完全新規則機以降の1月末、貴店の品揃えはどうなっている? -今日も緑保留-

コーナー化されたにもかかわらず、緑保留のマーケターRです。
赤保留になれるように頑張ります!

さて、前回の記事(「海とパチスロへの還元はいつまで続く?」は、こちら)で触れたように、ぱちんこの特に4円ハイミドルの好調が続いている。

ハイミドルだけではなく、ライトミドルに関しても、約1年前の「P戦国乙女6のヒット」を受けてスペック設計されたであろう「特賞確率230前後の機種」が続々と発表されてきており、こちらにも注目していきたいところだ。

今回は新規則機完全移行を間近に控え、ぱちんこの主力である「ハイミドルの品揃え」について、現在のトレンドと今後の展望を見ていきたい。
現在までのトレンドはやはり1種2種系「超速タイプ」であろう。
この原稿を書いている時点で、ハイミドルのなんと50%弱が1種2種系のスピードタイプとなっている。

今後11月~12月も同タイプが数多くラインアップされており、「CR真・北斗無双」や「CR花の慶次~漆黒の衝撃」が撤去となれば、このタイプの比率が急上昇していきそうだ。

「超速タイプ」の増加には限界が

CR機との差別化を求めて、新規則P機が活路を見出したのが、この「超速タイプ」だった
「大工の源さん超韋駄天」の大ヒットに始まり、直近でも「牙狼月虹の旅人」「ガンダムUC」「デビルマン疾風迅雷」と続々とシェアを急拡大させている。

初当りの半分を占める通常当たりを最低限度レベルの出玉獲得のみとしつつ、右打ちに特化し、その右打ちでの出玉量と瞬間速度を競い合ってきた。

コロナ禍も相まって、短時間遊技を加速しつつ、新しいファンを獲得していったのは間違いなく、このタイプの功績は大きい。そして今後もハイミドルの主軸の1カテゴリーであることも間違いないであろう。
ただし、何ごともトレードオフの関係になっていることは忘れてはいけない。ぱちんこ遊技機のスペック設計においては、それが顕著に表れる。

1種2種系「超速タイプ」はRUSHに突入したときの「爽快感」が非常に大きいが、それと同じだけ突入しなかった時の「喪失感」も大きい。

MYの追求は「勝ち額」を高めるが、勝率は上げられない。
万人が好むスペックを作ろうとしても、それは不可能な話で、「短時間・出玉総量」という点をフォーカスした遊技機が優先されているのが現状だ、ということだ。

しかし、この路線を続けるのは、さすがに無理がある。

そもそも、現在の規則下では「牙狼月虹の旅人」がひとつの完成形であり、これ以上右打ちでの出玉総量・速度を追求するのはほぼ不可能な設計となっていることも周知の事実であろう。

「稼働」という視点を持って機種選択を

残り数カ月で、完全新規則時代へと移行し「CR真・北斗無双」や「CR花の慶次~漆黒の衝撃」を中心としたCR機が全て撤去される。
ハイミドルスペックで中・長時間遊技を支えていた両機種のシェアを、さらに超速タイプでカバーしていくと、完全に「スピードタイプ×短時間遊技者」のみをターゲットにする店づくりを推し進めることになる。

時間や予算に余裕があったとしても「止め時」を創出してしまうのが、超速タイプのネックだ。やはり「稼働」という視点も併せて、ハイミドル帯のスペック構成を考えるべきだろう。

海だけで長時間遊技者の受け皿とするのはあまりにも無理があるのはもはや承知の事実であろう。

北斗無双の代替機のひとつとして期待されている「P北斗9闘神」も1種2種スペックでスピードを重視した短時間遊技者向けの特長をもった商品となっており、この傾向は他の年末年始ハイミドル機種やライトミドル帯でも同様となっている。

中・長時間遊技タイプの必要性

そんな中、12月にはロングSTを搭載し、突入率も高めて比較的長時間遊技者向けの特長をもつ「Pエヴァンゲリオン未来への咆哮」が発表され、高い評価を受けているようだ。
初当り確変非突入時の450発はやや不満なところではあるが、時短100回・突入率70%弱という設計は、中・長時間遊技者にとっては受け皿候補のひとつとなりそうな予感もある。

右打ち特化型、スピード特化型偏重のリリースが続く中、メインシリーズ機候補の中からバランス型スペックが登場してきたことは市場にとっては待望であったとも考えられそうだ。
ただし、販売台数は世界的な部品不足も影響して3万台程度ということもあり、まだまだ品不足感が強いのも事実であろう。

今後のラインアップに目をむけると、1月機種ではメインシリーズ機としては大トリとなる「P真・花の慶次3」が登場することとなるが、こちらのスペックもバランス型スペックではないかと噂されている。
こちらも突入率が高く、時短100回搭載、なおかつ初当り出玉も高めだが、右の強さとバランスがとれていると聞き及ぶ。何より「慶次」というブランドは心強い。
まだスペック詳細は不明だが、ハイミドルの構成を考えたときに鍵を握りそうな機種となることは間違いなさそうだ。

CR機完全撤去が完了した際の自店の機種構成、その品揃えやスペック特長はどうなっているのか。お客様が望む機種構成ができそうであるか、特賞確率の括りだけで考えていては決してお客様の声に応えられることはないはずだ。

それぞれの遊技機の特長を俯瞰しながらどんな品揃えでお客様をお迎えするか、数か月後を想像しながら店舗の品揃えを定めてもらいたいと思いながら本稿を了とする。