立川での熱い戦いに注目 -今、視察するべきホール-

元ガイア2店舗が同日オープン

8月7日(土)、関東では注目の2店舗がグランドオープンを迎えた。
東京都立川市の楽園立川店と神奈川県座間市のメガフェイス1180座間だ。
駅前店と郊外店という違いはあるが、共に設置台数1,000台を超える大型店だ。

くしくも共に、元ガイアの店舗をM&Aで取得した両店のグランドオープンということになった。

8月9日(祝)、グランドオープン3日目に楽園立川店を視察した。 メガフェイス座間は13日まで神奈川県と町田市(東京都)在住者のみしか入場できないこととしており、身分証も必要なため視察は後日とさせていただく。

渋谷の二の舞は繰り返せない楽園

さて、楽園立川店。
立川駅前(南口)といえばハイパージアスという東京都でも上位にランクインする有数の競合店が存在する。

近年、破竹の勢いで関東の新店を成功させ続けてきた楽園グループだが、同じくガイアのM&Aであった渋谷駅前店は今のところ大苦戦。日拓渋谷新館・本館・スロット館の日拓勢に大きく水をあけられている。

そういった意味でも立川店での失敗は許されないであろう楽園グループと立川の盟主ハイパージアスの戦いは見ごたえのあるものとなりそうだ。

奇しくも、立川での競合店は日拓と同じく「駅前店を熟知した」SUISHAYAさん。どの店舗でも駅からの距離やローターリーからの視認性など、立地にこだわってきた企業だ。
視察時間は8月9日の午後。駅を降りると、ハイパージアスからの呼び込みの声が聞こえる。やはり駅からの視認性、導線という意味合いでもハイパージアスが優位なのは間違いない

グランドオープンを出迎えるハイパージアスは「立川にはハイパージアスがある!」を統一フレーズに店内・店外にPOPを展開。
総設置台数1,500台を誇る楽園立川店には入客数では物理的にも及ばないものの、視察時の入客率では8割~9割近い稼働率となっており、グランドオープンとそん色のない数値となっていた。

常連客をがっちりつかむハイパージアス

ハイパージアスには常連客とみられる高齢層、特に女性の中年~高齢者が多くみられた。
当然、楽園もその客層が大事だと考えているはずだ。だからこそ、グランドオープン直前の5日・6日に女性、55歳以上限定のプレオープンという一風変わった施策を行ったのであろう。
(ただし、女性も55歳以上も共に東京都在住という比較的広範囲をターゲットにしていた)

このプレオープンは上手くいかなかった(集客できなかった)と言われており、たしかに1,500台を誇る設置台数には到底達しない入客数であったようではあるが、簡単には取り込めない層に対する面白いアプローチではあった。

渋谷駅前店では日拓渋谷の「海」の客を全く奪うことが出来なかったこともあり、地元の常連高齢者層の確保をいつも以上に丁寧に行おうとする姿勢が感じ取れた。

ただし、楽園が全台各台計数機であるのに対し、ハイパージアスは派手な玉積み演出を実施。特徴的なPOPも相まって、こういった層へ効果的となる視覚でのアプローチはさすがと感心させられた。ハイパージアスの常連層を奪うのは簡単ではないという印象を強く受けた。

この常連層も一度は楽園へ足を運ぶであろう。その一度でどういった体験をさせることが出来るか。「海」の調整は五分五分に見受けられた。両者の戦略に注目したい。

楽園・ジアス 企業の特色が随所に見られる

楽園はグランドオープン時から1円パチンコ、5円パチスロと低貸しを設置。渋谷駅前店でもそうだったが、グランドオープンは4円・20円のみ、その後リニューアルで低貸設置というこれまでのパターンとは変えてきた。

1,500台という設置台数の多さもそうさせた要因であろうが、ジアスの低貸比率が低いこともあり、徹底した市場調査に基づいた正しい判断であったように思う。
実際にグランドオープン時に稼働が伸び悩むとされる低貸も高価貸に引けを取らない入客率となっていた。

また、半日打った打感からはメイン機種特化型の調整はこれまで通りであると感じた。ハイパージアスが比較的全店まんべんなく「アケ」な方向性であるのに対し、楽園はこれまでの系列店のグランドオープンに近い、メインとなる機種を重視した「メリハリ」な方向性である印象を受けた。

他にも、3階以外は加熱式タバコを吸いながら遊技できるジアスと、全館禁煙ながら都内では中々見ることの出来ないレベルの広さを誇る喫煙ルームを用意した楽園。パチンコの設置台数がパチスロの倍近いジアスに対して、パチスロの設置台数がパチンコを上回る楽園などなど。

色んな違いが見えて楽しい両者の戦い。もともと販促力の強さに定評のある両法人でもあり、是非一度視察にいかれることをおすすめします。私もまた視察に伺うこととします。

それでは、また。