業界の未来を創るワカモノからのメッセージ -実践主義マーケターからの提言-

ワカモノからの未来の繁盛店を創る提言

先日DMM主催のマーケティングセミナーにご参加いただいた皆様方、誠にありがとうございます。全国学生遊技連盟の方々と共に、業界を取り巻く環境の変化、そして未来について現役大学生のパチンコへの向き合い方とパチンコ産業への感情など、ガラパゴスな業界への提言は心躍らされるものがありました。

わたしの印象に残ったことは、パチンコに参加するワカモノはパチンコを【アクティブな遊び】と捉えていることです。積極的に店を選び、情報を収集し、興味ある店と機械を選定し、目的を果たすプロセスを楽しむ。そこには金銭的な幸せ以上に、楽しいことやうれしいことに溢れ、脳汁を絞り出すプロセスが楽しい。と学連メンバーは語っていました。

その言葉と姿は、ワカモノが都会を出て、山でハンティングをする姿を想像させます。登山家であり狩猟者である服部文祥は、サバイバル登山をするために山に踏み込んだ瞬間から【冷静に発狂しつづけている】と語っています。

わたしたちは装置産業という枠組みの中で、どこか農耕的に種(新台※ガンダムシードの揶揄ではない)を蒔き、肥料(出玉)を与え、実(粗利)を刈り取るという労働者になってはいないか。どうすれば効率的に最適に労せずに多くの利得をえられるのかと産業革命・資本主義の奴隷になっていないか。

パチンコ店は生と死、期待と悟りが混在し、情動が揺さぶられ、己と強制的に向き合ってしまうような生臭さはいつしか消え、イメージアップなど社会に迎合することにより、開かれた山として開拓され整地された公園でハンティングごっこをし、鹿の縫いぐるみを得て与えられた幸せを喜ぶような業態を作ることが業界の発展ではないということがハッキリと分かりました。

分析も未来予測もルーチンワークも専門知識も間もなくAIが代替し、人は楽をしてより生産性の高い仕事をすることが可能になります。農耕的な産業は全て計算機が最適を考え、自動生成する時代が必ず来ます。
機械選定も設定運用もマーチャンダイジングも販売促進も人が考えるよりも、AIが最適解を導きます。燃料効率と活動効率の劣るヒトが計算機に勝つ術などありません。昭和生まれのKKD世代が、PCに苛立ちハンマーで砕いたところで釘師の育成の数百倍のペースで計算機は生み出されて最適解を導き続けます。

計算機との共存がデフォルトになっている現代のワカモノは、パチンコを通じて脳汁を出すのか楽しい。と語っています。それは農耕的な仕事は計算機が担う時代だからこそ、ハンター的な喜びが必要になる証のように聞こえてきます。

それを昭和の時代で言うと、生と死をかけた鉄火場などという表現になるのですが、そんな血生臭い話しではないと思っています。常に合理的かつ最適な解が導かれる時代に、【選択により変化する未来を痛み(肉体的ではなく金銭的に)を伴いながらリアルに楽しむ場】としてパチンコが機能するか?ということに期待と可能性を感じます。

ワカモノ達は今のパチンコ産業についての本音を妄想しています。

しかし、今のパチンコ屋って設定も選べなければ、金太郎飴の機種構成と新台という画一的な獲物ばかり並べて、選択もリアリティもなくね?つまらない出来レースならばバーチャルのほうがコスパ高いよ。どうなのオッサン?解がないならオレ達が根底から変えちゃうぜ!

わりとこんなことでいいと思うんですよね。成果と喜びの共有。獲物が鹿ではなく、いいね!になっているのかもしれませんが。

就職売り手市場の時代にわざわざ斜陽産業に飛び込もうとしているワカモノに、エールを送るならば斜陽産業とはいえ産業規模は大きく(※10年後先でも粗利規模で二兆円規模を維持する)、ライバルが弱い(KKD世代が幹部)。
情報分析とA.I導入で飛躍的にコスト効率を改善することが出来る(メーカー開発、ホール企業ともに)、身体的な理由で離反する団塊世代のパチンコヘビー層をバーチャルで留める可能性(仮想空間)。
生産性が向上した世の中で余暇ニーズが高まる。売上高営業利益率は非常に低い業界ですが、改善余地も多い業界ゆえに10年後には利益額は二倍にならなくとも売上高営業利益率は二倍に出来ると思います。

やっばりね、崖っぷちから大物を仕留める快感は何にも代えがたいものはある訳です。
業界の未来を担う若きハンターの皆様、どうぞご存分に力を発揮してください。必要であれば、わたしのパソコンに蓄積された業界のビックデータとロジックをご自由にご活用ください(笑)

この記事を書いた人

ノンブル・マーケティング代表
  斎藤 晃一  Koichi Saito
大手ホール企業で培った分析・マーケティング力を武器に、出店や既存店強化などを支援する