ぱちんこの遊技くぎについて -ぱちんこ開発日記-

こんにちは!ぱちんこ開発めんつゆです。

パチンコには「釘」がつきものですよね。
なにかと言いづらいことも多いですが、今日は私が知っている浅い知識を(^^;

子どもの頃の「パチンコ」のイメージは「釘師」がいて、その釘師さんがお父さんが景品をいっぱいもらえるかどうかをコンロトールしているイメージでした。
お店とお客さんの勝負みたいな感じ。

その当時のスペックのジャンルで「一発台」と呼ばれていた機種は、元々は入賞口とチューリップだけで構成された「普通機」を特定箇所に入賞したときに開くチューリップの先端に当たるように、玉の流れを変えるように大きく釘をまげて、別の入賞口にどんどん入るように性能を変更していたと聞いています。

普通機を釘曲げで大きく性能を変えて一発台として営業できてしまったことで行政からの指導が入り、一発台というジャンルは消滅しました。

当時の一発台の写真を見ると釘が盤面に張り付くように曲がっていたりするので、指導が入ってしまうのは仕方がなかったのかもしれませんね…

その後、某保留玉連チャン機での釘曲げ事件や、直近では型式と異なる状態での出荷があったとされた“いわゆる釘問題”まで、様々な問題があり、現在では厳格に多くのルールが追加されています。

規則には「遊技くぎは盤面に対して概ね垂直であること」と記載されています。

各社の取扱説明書を見ると、ほとんどのメーカーは釘を盤面に対して12時方向に5度で打ち込まれているように思います。やや上方向を向いているイメージです。

釘によっては個別に「12時4度」や「12時7度」などの記載もあり、この状態で保通協での型式試験に申請しています。
細かく一例をあげると釘の頭は根本から上方向に約1.5mm程度上がっています
基本の打ち込みは5度上がっていますので1度につき0.3mmのずれが生じます。

しかし正確に12時5度の角度で打ち込まれているのかというと、釘打ち機の精度自体は高いのですがほんのわずか異なる場合もあるため、他の製造業同様、量産時は公差を設定した上でバラつきも考慮し量産されています。

また、このバラつきの幅を示す意味合いで作られたのがパチンコ機が納品される際に付いてくる取扱説明書に添付されるもので「くぎ確認シート」があります。
元々はメーカーが出荷する際の釘の打ち込みについてのバラつきを納品時に確認するために作られたのが始まりと聞いています。

各社のバラつきの許容が異なるためシートの仕様が若干異なりますが、おおよそ5.5mm前後の円で記載されているかと思います。

メーカーとしてはほぼ誤差の少ない量産を心がけていますが、シートの範囲内で量産され、その時のベース幅を取扱説明書の「設計値一覧」に記載しています。(※記載例:通常時の出玉率 23~(XX)~33)

12時5度、1度につき0.3mm、くぎ確認シート、設計値一覧
釘に関してはグレーな側面があり、明確化されないことも多いですが、これらが分かるとパチンコの釘に対しての見方がもっと面白くなります。

釘調整自体は現時点では不正改造に該当しますので許容されるものではありませんが、冒頭で言った子どもの頃の釘師とお客さんの勝負の読みあいはゲーム性として面白かったと思います。

今でいえばパチスロの設定に近いのではないでしょうか。
お客さん自身が台を選んで読みが当たって玉が出れば楽しいゲーム性はパチンコ・パチスロ独自の面白さだと思います。

いまいち普及しませんでしたが、設定付きパチンコも遊タイムも「読み」の一環としてのゲーム性が向上できれば昔の「釘調整の読み」を超える面白さが提供できるのではないでしょうか。

わたしとしては当時の牧歌的な営業環境の中でパチンコを打ってみたかったです(^^)
そうはいかないまでも、近い内にある程度の範囲内で釘調整が許容される時代がくるといいですよね。

そんなことをぼんやり考えながら本日もホール様へ遊びに行ってきます。