こんにちはめんつゆです。
機種開発を行っていて、不定期に発生する重要イベントがあります。
それは規則改正、解釈基準の変更、内規変更などのレギュレーションの変更です。
ご存じの方も多いかもしれませんが、1機種作るのに約2年前後かかるためこのイベントが発生すると仕様変更、コスト再見積り、会社への再承認など中々ハードな作業が発生します。
今まで作り上げてきたものをガラリと変更せざるをえないことも多く、担当者によっては「変更しない!」「変更するべきでない!」と駄々を捏ねる開発者もいるとかいないとか・・・
とは言っても会社命令ですので、結局は変えさせられるんですがね(笑
こういったレギュレーションというのは、当然どれも必ず順守しなければいけないので抜け道はほぼありません。(ほぼが重要です笑)
規則や解釈基準変更の場合は改正の数か月前から大まかな素案が知らされるために、心の準備が可能ですが、内規の場合には電撃的に変わる場合もあって、開発現場にはデスマーチが鳴り響きます。
さらに中身の考え方に関しては詳細の考え方まで説明がなかったりすることもあるため、組合担当者には他メーカーとのコミュニケーション能力が問われます。
うっかり間違った考え方を会社に戻って報告し、のちに「なんでこんな仕様が他メーカーから出てくるんだ!」と叱責されるシーンも・・・
他メーカーから販売された機種で考え方が違っていた場合はまだ骨折程度で済みますが、一番ダメージが大きいのが申請後にそもそもの考え方が間違っていた場合・・・。
保通協の試験状況は毎週火曜と金曜17時に保通協のHPにて試験状況が開示され「管理番号」で自社の申請機種が現在型式試験でどの段階にいるかがわかります。
試射試験で短時間出玉率などの項目で不適合だった場合は2週間前後などで試射試験の項目が試験終了の表示になるため、「ま、落ちたな・・・」と判断でき、ひと月を超えて全ての項目が試験中のままなら「保留変化:紫」程度の信頼度さらにその後2週経過後も変化がないようなら「保留変化:赤」まで期待感は上昇します。
そして、おおよそ2か月弱で試射試験が「試験終了」の表示になり、その後一週間程で全ての項目が終了になれば「リーチ最終段階金色カットイン」です(笑
時折、営業マンが「ほぼ適合しそうです」と言うのは、このタイミングの試験状況で判断している場合が多いと思います。一昔前は「内示」なる謎の言葉がありましたが、まあこの辺りの局面を指して勝手に言ったりしていたんでしょうね。
しかし、残念ながら金色カットインでも外す場合があるのは保通協の申請でも同じです・・・。
この場合「大当り確定」の期待感から一気に奈落の底に突き落とされます。
試験が長期化した場合、申請しておよそ2か月で「~~の理由で試験中」と保通協から連絡があったりします。この時、警察庁に確認中の事案があるというケースがままあって、こうなると内規の読み間違えによるミスがあったりするため、組合担当者の顔色が青ざめ始めます。
内規なので試験は適合する場合が多いのですが、必ず日工組にも話がいくため、まずは状況の確認と釈明と抗弁の場を与えられますが、「適合出るかもしれないけど売らないよね?」と地獄の通達がなされたりします。
こうなってしまうと仕様変更を余儀なくされるため、会社としては販売スケジュールの変更など大きなダメージとなってしまい、再発防止と組合担当者への強い強い圧がかけられます。
このような惨事を招かないよう組合担当者は日頃から情報交換という名の飲み会出席が多く、会社にいるより外にいることが多い場合がどのメーカーでも見られるのではないでしょうか。
組合担当者は、まず「酒が強いこと」と公言するメーカーもあるので、もしこの記事をご覧のメーカー開発の方は自社の組合担当者の酒への強度を再確認してみてください(笑
と、冗談はさておき、今後も様々にレギュレーションは変化していくでしょうし、ぱちんこのゲーム性はいまかつてないほど自由度が高くなっていると思いますので、色んな発明をきっかけにたくさんのヒット機種が誕生することに期待しましょう。(私も頑張ります!)