メーカーのテスト環境 -ぱちんこ開発日記-

こんにちはめんつゆです。

ホール関係者の皆さまは日々営業結果をホールコンピュータで確認し、遊技機の管理をされているかと思います。
では開発はどのようにデータを採取し機械を制作しているのかご存じの方は少ないのではないでしょうか。

どのメーカーもホールコンピュータだけでなく様々なツール(自社開発含む)を使って日々検証を行い数値の確認と修正を何度も何度も何度も何度も何度も繰り返します(重要なので何度も書きます 笑)

メーカー規模による差はあるかと思いますが大手ほど開発環境は整っており、某社は大都会のど真ん中のビルの中に数百台規模の試験環境が存在し、一部はパチンコホールとほぼ同一の環境が用意されていると聞いています。

また別のメーカーでは研磨機を主要還元機メーカー分取り揃え、研磨による玉の違いまで確認しているそうです。自社でも何度か開発島をリニューアルしましたがゲージ担当者曰く、一番安定したデータが確認できたのは〇〇社の還元機だったそうです。

自分の所属するメーカーではホールコンピュータより詳細なデータを出力するツールで完成するまで検証を行います。出力されるデータとしてはホールコンピュータに準ずる値だけでなく、保留滞在割合や変動時間関連、各メイン系役物の作動関連などありとあらゆるデータが出力され日々フィードバックされる環境になっています。

またゲージ担当の方々は一台ごとに盤面をカメラでビデオログ採取し球の軌道や玉詰まり、部品の不具合などの確認をしています。

開発中はこれら大量のデータを採取するため開発用、ホールコンピュータ確認用、保通協環境とそれぞれの用途に島を分けていますが、保通協環境だけは非常に特殊で還元機の研磨方法や傾斜の決定方法など、特に枠の設置方法自体が全く異なるため、企画担当の自分としては枠が重いので設置を手伝いたくても設置方法が複雑すぎてお手伝いができません…。

ちなみに設置時の傾斜は、枠を設置した後にボタンを押すと試射試験で使う傾斜に変更されるようで勝手に台が傾くすごい仕組みです(笑

研磨も特殊で、以前はポリ研磨だったのですが、数年前から紙研磨に変更され、研磨の際に何か洗剤のようなものが入っているため、非常にいい匂いがします。この島の玉だけ非常になめらかなので、試験の結果にこの辺りも影響があるのではないでしょうか。

このように各メーカーいろんな方法でそれぞれの環境に合わせた設備で検証を行っていると思いますが、担当者が言うには日本中のパチンコホール様すべてが環境が異なっているといっても過言ではないため、とにかく多くの環境や設備での検証回数をこなして、狙っている設計値の幅を把握することが重要で最も大変だということです。

たまに登場するメチャクチャ辛い機種とか甘い機種はひょっとしたら、環境の影響による想定外の値だったみたいなことがあるのかもしれません・・・

スマートパチンコに移行した場合は、島環境や玉の違いによる変化は少なくとも現状よりも受けづらくなるため、より精度の高い遊技機が提供できるのではと考えています。

パチンコらしいアナログ的な要素が失われてきている気がしてしまいますが、時代の変化として受け入れていきたいと思っています。