開発の仕事って -ぱちんこ開発日記-

こんにちはめんつゆです。

今回はいつもと趣を変えまして、メーカー開発の仕事について書いてみたいと思います。
ご興味ない方も多いかもしれませんが、ご容赦くださいませ。

と、その前になぜパチンコ開発の仕事に就いたのかというところから(笑)

学生時代、就職活動を始めたときには既に教員免許を取得しており、田舎の中学校の先生になる予定だったりしておりました。ところが、何を思ったかある日「このまま公務員になるのもなあ、向いているのかなあ」と考え込むことがあり、そこで突然思いついたのが「あ、パチンコメーカー行きたい!」という閃きでした。

当時は遊技人口も店舗数も今では考えられないくらいの規模を誇り、将来性もあり、自分も毎日授業や実験、研究室もサボってパチンコを打ちまくっていたわけで、思いついた瞬間のヒラメキは今でもはっきりと覚えています(笑)

パチンコメーカーに行きたい→パチンコを作りたい→開発職へと非常に安易に物事を考えて就職活動を始めたわけですが、当時は(今も?)業務内容がブラックボックス化されていて企業研究が非常に難しく、卒業生が数名パチンコメーカーに就職しているとのことで、先輩方にお話を伺ったりして無事に就職し現在に至るわけです。

もとい、ほとんどの方が、メーカー開発ってどんな仕事をしてるのかピンとこないと思います。メーカーによっては、大部分を外注に任せていたり、逆に内製割合が高かったり様々であります。

ざっと、パチンコ機種開発で担当を列挙してみると、「企画」「演出」「デザイン」「スペック設計」「ゲージ設計」「メインプログラム」「サブプログラム」「デバッグ」「申請」のようになります。
遊技機の軸的な技術であるスペックやゲージ、メインプログラムは内製のメーカーがほとんどですが、液晶演出や組み込みに関しては協力会社への外注となるケースが多く、社内では企画担当が演出系の外注管理を行ったり、メカやハード担当が盤面部品関連の協力会社の外注管理を行うなど、協力会社への業務委託が多いイメージですね。

メーカーによってはゲージ設計とメカ設計が同一担当だったり、ゲージ設計とスペック設計が同一担当だったりと、メーカーごとの歴史や文化によって違いがあったりしますが、概ね上記のような9項目の担当があり、日々機種開発を行っています。

新機種の開発期間は早いメーカーだと1~1.5年、遅いと2年、リテイクや致命的なレギュレーション対応などの事案が発生すると更に時間がかかり、自分の記憶だと5年かかった機種もあります。(5年は本当に長かった…)

忙しさの波は各担当によってタイミングが全く異なり、企画や映像系は前半から終盤までずっと忙しく、逆にゲージや申請は機種完成間近から申請期間、量産間近が最もピークとなります。

最近では適合率の低下の影響もあり、申請回数が増えているため(多い機種では数十回とか・・)にその準備だけでも期間がかかるため、申請機を準備するメカ・ハード、ゲージ担当は終盤からかなり忙しそうな印象を受けます。

終盤には演出関連のデバッグも行われるため、サブ関連を担当する方々もピリピリしていていますね。プロジェクトごとの進捗状況次第で雰囲気が全く違うので、定時後に「打ちにいこーよ」とか「飲みにいこーよ」とかのタイミングを見計らうのが中々難しいわけです(笑)

と、いろいろ担当分けされ、協力会社の担当の方を含めると相当な人数で1~2年かけて開発を進めてようやく完成するとイメージしていただくといいかなと思います。

また、完成までには複数回の社内上層部確認や版元確認を行い、フェーズごとに承認を得てすすめていくわけですが、これも難関でして致命的な指摘を受けて大幅なスケジュール遅延が発生したりする場合もあり、この指摘を回避する仕組みづくりもメーカーさんによって差がある印象を受けます。

手が早いメーカーはこれらがスムーズに遅延なくスケジュールが履行されているので、鮮度の高い商品をリリースできていると思いますが、弊社のようにこれらのシステムがうまく機能していない場合はどんどん遅くなって、市場リリース時には時代遅れになるなんてことも発生したりします。

つい先日も昨今の解釈基準変更によって修正を余儀なくされ、スピード感を要求されるシーンがあり、自分の担当領域では設定付きのシミュレーションを改良することに命を燃やしました。(最初、楽をしようとして現行シミュで設定6段階分作ろうとして滅茶苦茶怒られました…)

どんな業種のどのメーカーでも課題やスキームがあると思いますが、他業種のメーカー開発の知人に聞くと同じような感じなので、基本的にはどんな商品作りも悩みは同じだなと、うん十年働いてきてやはり自動車や家電メーカーの業務フローが最も効率的で無駄を感じないため一番参考になるなと、ようやく最近理解し始めたところです。

これからも鮮度を高くより面白い商品をリリースできるよう、頑張ろうと思います!