半導体やその他の部品不足問題について -とある開発者の独り言-

世界的にほぼ全ての業界で大きな問題となっている「半導体不足」。
それが原因で家電やPC、自動車など生活に必須なモノを作ることが出来ず、供給が追いつかない状況となっているのは周知の事実かと思います。

我らが遊技機業界においても、新台の販売延期や販売台数減など大きな影響が出ていますよね…
ホール様からしたら入替の予定が狂ってしまうでしょうし、メーカー様にとっても計画通りの時期・台数で販売が出来ない。
かと言って世界的な問題ですし如何ともしがたい…
苦しい状況が続いていることと思います。

自分はソフト開発に携わっており、ハード設計や部品調達、製造などに直接関わってはおりません。
実際に現場がどんな状況になっているか見ているわけでもありませんし、いち開発者ごときが何か出来る問題でもないわけですが、今回は私から見えている範囲で部品不足問題がどれほど深刻か・この状況がいつまで続くのかといった点について書いてみようと思います。

明確な答えがあるわけでもないですし狭い視野での記事になってしまいますが、参考程度にご覧いただければ幸いです。

具体的に何が不足しているのか

主に半導体など電子部品と、コネクタなどの樹脂類も不足しておりなかなか手に入らない状況のようです。
どちらも遊技機には必須の部品。
これらが無いと量産・製造することは出来ません。

なぜ不足しているのか、遊技機製造にどんな影響があるのか

自分は専門ではないので正確なところは分かりませんが、コロナ禍で部品の製造工場に人手が集まらず生産能力が著しく落ち、リモートワークの推進等で需要は逆に大幅に上がったため、と聞いております。

全ての業界で供給が足りず取り合いになり、必然的に遊技機メーカーの順番はなかなか回ってこない状況なのだろうと思います。
とある部品を必要な台数分注文したところ、納期が1年半とか2年先と返答が来た、なんて事例も耳にしました。

部品自体取り扱ってはいるので全く手に入らないわけではないのですが、いつ入ってくるか分からないほど納期が不安定になっている状況です。

部品メーカーも1社ではないので代替品が認められすぐに手に入れば量産も可能になるかもしれませんが、ものによってはソフトの変更が必要になる場合もあり、型式試験に申請し直さなければならないという本末転倒な展開になるケースも起こり得ます。

適合してから量産し販売するまでの期間がこれまでの感覚では成り立たなくなっている、というのが遊技機メーカーの現状かと思います。

販売延期あるいは減産という報が明るみになるたび、頭を抱えるホール様も多いことと想像しますが、これまでにない事態になっており、遊技機メーカーとしてこの状況に対応しきれていないという点についてはご理解いただきたいと思います。

部品不足問題 今後の予想

開発としては、保通協へ申請して適合したらゴールと言えますが、遊技機メーカーとしては、適合してからいかに迅速に部品を調達し販売にこぎつけるかが今の最重要課題と言えると思います。

そんな中、出来る対策としては遊技機メーカーごとの規模や状況によって様々。
既に各メーカーさんにて対策の検討は始まっています。

体力のある大手メーカーさんであれば、
筐体をなるべく汎用化しつつ足の長い部品は事前に在庫を大量に確保しておいたり、
市場に多く出回っている自社の機械を回収してリユースしたり、
といった対策で、なるべく計画通りの時期・台数の販売が出来るよう準備が出来るかと思います。

在庫の確保が難しい・リサイクルが上手く回らないメーカーさんもあると思いますが、開発の段階で納期の見える部品を精査して選定し直す対策も考えられます。
ゆくゆくは会社をまたいで部品を共通化し融通し合う、なんてことも実現するかもしれません。

対策の規模は違えど、各メーカーさんの知恵と努力でこの苦境を乗り越えられるよう進んでいくことでしょう。

この世界的な部品不足が解消されるのにはおそらく数年かかるのではないかと言われていますが、

世界的な部品不足が根本から解消される「数年後」よりも早く、遊技機に関する導入時期の延期や計画台数の減少といった問題は徐々に改善されていくのではないか

というのが自分の予想です。


とは言えどうなることやら不安でしょうがない、いち開発者の独り言でした。