リール演出・疑似遊技について -とある開発者の独り言-

8月に入り、6.5号機のラインナップも増えてまいりました。
特に「新鬼武者」の初週の稼働が抜群ですね!
今後もさらなるヒット機種の登場で業界全体が盛り上がって欲しいですね。

そんな6.5号機においても、6.1号機基準で規制緩和されたことにより再度搭載可能となったリール演出・疑似遊技は必要不可欠なものとなっております。

「鉄拳アタック」「ブッた斬り」など各機種ならではのリール演出でゲームを盛り上げておりますが、なかには「フリーズが長くて煩わしい」などネガティヴに感じる方もいるかもしれませんね。

開発としてもそういったご意見があることは理解しておりますが、それでも搭載するだけのメリットがあるわけです。

そこで今回はリール演出・疑似遊技について、個人的に思う開発視点でのメリットなどを書いていきたいと思います。

あまりホール様やプレイヤーの皆さんの参考になる話ではないかもしれませんが、さらっと流し読みしていただければ幸いです。

リール演出や疑似遊技を取り入れるメリット①〜配列・役構成〜

4号機から5号機、そして6号機と規則が変遷していく過程で配列・役構成は複雑化の一途を辿り、昨今の機械は非常に多岐に渡る制約の中で開発がされています。

特にAT機においては、押し順役を構成するために大量の小役が必要であったり、
シミュレーション対策のボーナス中の制御であったり、
求められる出玉仕様を実現するための配列・役構成を作るだけでも一苦労です。

とは言えパチスロの主役はやはりリール。
出玉的な当りを7揃いやBAR揃いなどリールの出目で表現しなくてはなりません。

大量の小役の組合せで埋め尽くされた役構成の中で、当りを示唆する7揃いなどを組み込むのは至難の業。リアルの組合せに7揃いを入れるために目指すスペックが実現出来なかったら本末転倒です。

そんな理由で、リール演出や疑似遊技で7揃いなど当りを表現する出目を出してリアルの組合せからは除外する手法が主流になってきたんですね。

ホール様やプレイヤーの皆さんは全然気にしてないと思いますが、そんな中でも疑似遊技ではなくリアル遊技で図柄揃いを出す機種もありました。

例えばブラックラグーンのヘブンズラッシュのBAR連打などは開発目線で見るとものすごい技術力だと感心しましたね。開発者のこだわりが窺えます。

リール演出や疑似遊技を取り入れるメリット②〜出玉〜

リアル遊技で7揃いなどを出そうとした場合、7揃いの組合せが含まれるフラグが成立するまで待つ必要がありますよね。
ボーナス準備中にも何かしらの出玉抽選を行ってプレイヤーのストレスにならないようなケアがされますが、それでも出玉的にはかなりのロスが発生します。

出来ればATの中で全ての出玉を返してあげて上乗せなどを楽しんで欲しいところです。

リール演出や疑似遊技で7揃いなどを出せばこの問題も解決。
ATに当たったら準備中を挟まずに即座に図柄を揃えてATを開始出来ますので、出玉的なロスをほぼ無くすことができます。

配列的なメリットよりも実際はこのメリットの方が大きいですね。

市場での影響

こう言ったメリットによってリール演出や疑似遊技が搭載されているわけですが、当然演出ですのでINもOUTも発生しません。

あまり多用してしまうと「フル稼働しているのに疑似遊技が無い機械と比べてINがかなり少ない」ということにもなってしまう可能性があります。

実際、犬夜叉やアクエリオンなどフリーズや疑似遊技が多い機械はホール様の体感よりもIN枚数が少し少なく感じられているのではないでしょうか?

過去の機械で言うと、5号機の「バジリスク2」は頻度の高いMB中が1枚掛けとなっておりINが2枚少なくなることから、常に3枚掛けの機械と比較すると終日フル稼働してもIN枚数が少なくなる事例がありましたが、疑似遊技についてもやり過ぎると同じような動きになってしまうかもしれません。

開発としてもバランス良く搭載していく必要があるなと感じます。

以上、リール演出・疑似遊技に関する独り言でした。

6.5号機が期待以上の動きを見せておりこれから出てくる機械にも期待が膨らむところかと思いますが、こういう細かいところにも注目して見ていただけると嬉しいなと思います。