続・遊タイムについて「実運用の注意点」 -ぱちんこ開発日記-

前回遊タイムの基本情報についてお伝えさせて頂きました。
(「遊タイムについて」は、こちら)

今回は実運用の注意点。
ユーザー目線を考えていくことの重要性に関してお伝えできればと思います。

営業シュミレーションの誤差

遊タイム500Gで発動 1/199の機械があるとして
※遊タイム発動で実質大当たり

①0G~300Gから打つ時
②300Gからのみ打つ時

上記の区間のみを抽出した際は、どちらの方がいわゆる分岐スタートが低くなるでしょうか?
どちらの方がいわゆる割が高くなるでしょうか?

誰しもが②と答えるに違いありません。
遊タイム機=発動回転数に近いほど期待値があると表現することが出来ます。

しかし店舗が見ているのは1日を通しての粗利や分岐などです。
そもそも遊タイム機に関しては、ユーザーによって遊技機割数が変わるリスクを認識しなければなりません。

一例として
(数値は仮でありイメージの為ちゃんと計算していません。)

①0Gから300Gまで打つ時 7.0割
②300Gからのみ打つ時   9.0割
③店から見た全体の数値   8.0割

前述のように遊タイムで当たる分、割が高くなるため、店としては8割営業をしているつもりでも遊タイムを狙っているユーザーは9割営業のお店と同等に体感できる半面、全く遊タイムの恩恵を受けていないユーザーは7割営業と同等の体感になってしまうということになります。

上記から、遊技態度や徘徊等に対して、全お客様にとって快適な環境を整えていく、店が望む客層の獲得を目指していくことは必要な行動であると考えます。
しかしながら、遊タイムを狙っているユーザーを排除しろといったことを伝えたいわけではありません。

遊タイムが搭載されている以上その期待値を追うといった行動は当たり前であり、むしろ健全な遊技としての姿勢だと考えることも出来るのです。

難しいですが、上手くバランスの取れた営業をする必要性があると思います。

ラムクリアに関して

ラムクリアをする=利益重視の店舗と言った印象を持っているユーザーも少なくは無いでしょう。私個人はラムクリア自体は否定的ではありません。

店舗によるラムクリアの現状は大きく3つに分かれる事でしょう。

①すべての台をラムクリアする。
②すべての台をラムクリアしない。
③台によってラムクリアするかしないかを考える。

①ラムクリア全台。先日朝から初めて行ったお店は前日の回転数が出ているにも関わらず、全台ラムクリアしていました。前日回転数10回転の台もラムクリアされていて徹底ぶりが素晴らしいと感じました。

当然ではありますが早い時間(開店直後)にくるお客様に遊タイムの恩恵はほぼ無い状態になり、前述の通り低い割の状態で遊技しているユーザーが多くなってしまうことを留意すべきだと思います。

朝一に来店いただける契機を店舗自ら無くす営業方針を否定はしませんが、どうしても私個人にはより良い方法とは思えないのです。

②の全台ラムクリアしないという戦略は実質的にはかなり難しいと考えています。
稀に当店はラムクリア行いません!と宣言している店舗がありますが、わざわざ宣言することで、自らの首を絞めつける必要はないと思います。

③台によってラムクリアするかしないかを考えるについて。ラムクリアをしない場合は軍団や専業といったプロが集まり、通常の遊技客にとっては不快な遊技環境になる可能性があります。
逆に完全にラムクリアした状態は来店契機を1つ喪失してしまう可能性があると記載しました。

私個人はラムクリアを適宜行う方法をおすすめしています。

その際は下記のように考えるかもしれません。

  • 遊タイムへの期待値がプラスの台を全てクリアする。
  • 遊タイムまでミドルだと〇回転のように残回転数でクリアする。

こちらも完全にクリアする、完全にクリアしないと決めているよりも一歩進んだ戦略だと考えますが、もう一歩踏み込んだ考え方も必要だと考えています。
〇回転や期待値はプロや軍団にとっては読み取り易く、ある一定の期間で判断されてしまう可能性があるからです。あえて期待値のある台を残して置くことも必要だと考えます。

期待値のある台があると思わせつつも、ラムクリアを交えつつ ラムクリアされた台を軍団やプロという人にも打ってもらう。

実は期待値島の中で3番目・4番目の期待値しかなかった台で、遊タイム狙いではないユーザーが一番期待値を積んでいたみたいな状況を店舗とプロと読み合う心理戦のような状況を作り出していく運営方法を私は推奨しています。

プロ・専業・軍団と言われている人の区分はよくわかりませんが、そのような属性のユーザーはいらないと判断している法人もありますが、最近は情報が簡単に入る時代です。
ある程度のプロ的思考や期待値を狙う行動は一般的なユーザーでも当たり前の時代であり、片っ端から否定する行動は全体のユーザー層が減っている時代で逆行している行動ではないでしょうか?

最後に記載した方法には、よりユーザー視点での発想が求められるのでかなり難易度は高くなると思いますが、提供している商品(パチンコ・スロット)の知識を求められるのは当たり前ではないでしょうか?

全ての客層に楽しんでいただける環境を作り上げることが店舗の責務だと考えます。

セグで簡単に判別できることを理解するべし

実は今回の遊タイム関連で一番言いたかったことはココです。

スロットの設定変更
=スロットでは設定の上げがあるかもしれない。等のメリットがある。
パチンコのラムクリア
=分かった瞬間にユーザーにとってメリットが無くなってしまう。

このことを理解する必要があります。

セグで判別できるとは…
 ①普通図柄のセグ
 ②特別図柄2のセグ
となります。

朝一で完全に判別が出来ない機種としては
 ・蒼天の拳 天刻
 ・戦国乙女6(遊パチ含む)
 ・JAWS3
 ・ガールズパンツァー等
これらの機種はラムクリア後に特に気にする必要はありません。

その他の機種は2種類に分けられます。

①普通図柄のセグで判別する
いわゆる電チュー解放のスルー抽選をおこなっているセグだが、ラムクリアをした場合にリセット状態のセグになる場合があります。その為ラムクリアを判別することが出来るのですが、
一玉(機種によっては数玉)スルーを通すだけで対策が可能です。

現行の遊タイム搭載機はほとんどがセグがリセットされてしまうのでチェックが必要ですね。

②特別図柄2のセグ
小当たりRUSHや一種二種機で連荘が時短なしで終わるタイプ
特図②のセグがハズレセグ以外になる場合があり、その場合はラムクリアが判別できてしまいます。

対策としては小当たりRUSH機は特図②を回す。
一種二種に関しても詳しい方法を記載することはしませんが、電チューに玉を入れる事で対策は可能です。

上記のような対策を駆使することで
全ての客層に楽しんでいただける環境を作り上げることに繋がるのではないかと考えています。

遊タイム不要論も多く聞こえてきますが、ユーザーではなく店舗運営側がそのような発信をしていることを少し残念に感じています。

(もう新しくもなんともないが…)新機能が出た際に簡単に否定するのではなく、店舗として商品である遊技機管理をどのようにすべきか、よりお客様に楽しんでいただけるのか?店にとってもお客様にとってもプラスになるのか?を常に考える必要があると私は考えているからです。

自店のお客様の状況に応じて、いまいちど考えてみるキッカケになれば幸いです。
それではまた!