コロナウイルス感染症の影響はいまだ続き、世界的な半導体不足はいまだ落ち着きをみせぬまま。中国最大の経済都市である上海が4月にロックダウンし、大きな影響を与えた他、ウクライナ情勢もそれに輪をかけているなどと言われています。
メーカー各社も半導体をはじめとする各種電子部品等の確保に奔走しているものの、順調に進んでいるとは到底言えず、特に多くの半導体を使用するぱちんこ機の供給に関しては深刻になっています。
昨年末以降ずっと続いているトレンドでしたが、それは大きな台数を要する一部の注目機種に限られた話でした。しかし、現在ではその影響は大きく広がっていると言えそうです。
特に、市場におけるハイミドル機の好調からか、ホール各社のハイミドル機の調達に対する需要は非常に高くなっています。玉単価の上昇でホール各社の売上・利益は上昇傾向、対する機械代は昨年に比べれば減少傾向であったこともあって、ホールの購買力は高止まりとなっており、この需要の底堅さはある程度継続しそうな雰囲気です。
需要が高くなっても供給は上記の事情で高めることが出来ず。この需要と供給のアンバランスは、現在ホール各社が機種選定中の7月の新機種でも顕著になっており、特にハイミドル機は軒並み予定台数を大幅に超過するような状況となっています。
8月~9月にかけて予定されていると噂されるハイミドル新機種も下記の通りで、それほど潤沢な供給とはいかなそうです。
- 三共
Pからくりサーカス - 三洋
P聖闘士星矢 - ニューギン
P真怪獣王ゴジラ2
Pワンパンマン - 平和
Pルパン三世~消されたルパン~復刻
P銀河鉄道999 - オッケー.
PGANTZ3
Pウルトラマンティガ
また、4月の型式試験実施状況を見てもぱちんこ機の適合率は25%を切っており、低い数値となっています。これは特にハイミドル帯での各社の“攻めた”スペックでの持ち込みが想定されており、これもハイミドル機のリリース不足、供給不足の一因となっている可能性がありますね。
型式試験の申請枠には限りがありますので、1機種で数多くの枠を使ってしまうと必然的に他の機種に試験枠が回ってきません。試験をしてもらえる機種数が少なくなってしまっているわけですね。
型式試験でいえば、現在1機種あたりの試験にかかる時間が長くなる傾向にあります。新しい仕様などがあるとその傾向は更に顕著になりますので、この供給不足の状況にスピーディーに対応するにはまだまだ時間がかかりそうです。
他にも、スマートパチンコのスケジュールが延期されたことによる影響もありそうです。
スマパチは特にハイミドル帯でメリットが大きく、スマパチでリリースを予定していたハイミドル機種をスケジュール延期の影響で現行機へ変更するなどの対応に時間がかかっているといったケースがありそうですね。
電子部品の影響だけでなく、こういった様々な要因が現在のハイミドル機の供給不足を更に深刻化させているといってよさそうです。
このトレンドはまだしばらく続きそうですので、踏まえて計画的に全体バランスを鑑みた入替戦略を策定していただきたいと思います。