こんにちはめんつゆです。
以前の記事で、「Pリゼロ鬼がかりver.」の影響によって取扱説明書に記載されている「設計値一覧」の下限ベースがハイミドル帯においても、これまで一般的だった下限23や24より下がってくるるのでは?と、数値決定の根拠も元にご紹介させて頂きました。(「下限ベースが低下?」はこちら)
ハイミドルタイプにおいては、各メーカーにとっての販売台数が多く見込めるフラッグシップタイトルが多く、販売力強化のためにはより強いスペックを搭載することが必要になってくるため、ですね。
ではなぜ今まで下限ベースが23や24が主流だったのでしょうか。
以前もご紹介しましたが、取扱説明書「設計値一覧」のベース記載のルールとして下限と上限の差はオーソドックスな1種タイプの場合は10以内とすることとあり、下限が23なら33が上限ということになりますね。
ただしこちらに記載する値の設定はメーカー毎の判断となりますので、例えば甘デジやライトミドルなど、ハイミドルよりも短時間や中時間で大当りしやすい機種の場合には、大当りによる出玉が通常ベース以外にも見込めることから、下限ベースを23よりも下げた設計とするメーカー様も多く存在しています。
この「23」あるいは「33」という数字は型式試験に由来しています。保通協の型式試験では1時間の出玉率が33%未満だと下限出玉率未達で不適合となります。ハイミドル帯ではその1時間以内に1度も大当りしない可能性が高くなることから、設計値一覧に記載するベースの値を上限で33(下限で23)とすることが常識とされていたわけですね。
しかし逆を言えば(極端な話)、型式試験の短中長時間試験で通常ベースを0にしたとしても、適度に大当りさえしてくれれば出玉率下限値を下回らない限り「適合」ということになります。(正確には役物比率や連続役物比率等もありベース0では適合しませんが、、)
「Pリゼロ」はこういった考えのもとに下限19と記載し、ベースを下げるという1個賞球機のメリットを十分に活かしたスペック設計を行ってきました。今まで他メーカーで常識とされていたハイミドルの下限値23を突破してヒット機種が生まれたことから、これに応じて他社も追随するという流れが出てきました。
下限を下げるということは、当然ホールでの運用も低ベースとなることが前提で設計されるため、簡単に言うとTYを大きくする設計が可能となります。
冒頭に記載した「強いスペック」を実現出来るということとなり、最近では平均TY5,000個クラスの機種も出始めてきていますよね。
ただし、メーカー毎に考え方も違い、まだまだ試行錯誤中のために、下限ベースで運用しても甘すぎる機種が存在したりしているのも事実ですね。しばらくは低ベース化を前提とした1個賞球機においてはメーカー毎もしくは機種毎に甘辛がこれまで以上に上下することを考慮しておく必要があるかもしれません。
もし、現在の下限~上限幅10の記載幅を見直してもらえるとなれば、スペック設計の幅が更に広がり、ホール様にとっても運用に負担のない機種が多く提供できるのになあとも思ったりしています。
機種選定時には下限ベース値と運用値を担当者に確認して、機種の「性格」をしっかりと把握していただくことが、機種選定の精度を少しでもあげるために必要なことではないかと思っております!