パチスロ開発目線の2022年振り返り -とある開発者の独り言-

12月に入り、2022年も残り1ヶ月を切りました。
年を取ってくると本当に月日の流れが早いですよね・・・今年もあっという間でした汗
皆様にとってはどんな一年でしたでしょうか?

開発に属している自分の所感としましては、年頭の記事(「2022年の展望」はこちら)に書かせていただいた通り【6.5号機】【スマスロ】の登場が大きな今年のトピックスだったと思いますが、
それによりパチスロが新たな一歩を踏み出し明るい未来をイメージする事が出来るようになった、そんな一年だったのではないかと感じております。

ということで、開発目線で今年一年を振り返っていきたいと思います。
昨年同様、四半期ごとのトピックスや注目機種を挙げていきたいと思いますが、例の如く個人の主観が多分に含まれますのでその点はご容赦くださいませ。

2022年1月〜3月

旧規則機の撤去
今年の1月で5号機が完全撤去となり、6号機のみの時代に突入しました。
この時期はまだ6.2号機が主流のタイミングでしたので、パチスロ市場に関してはこの先どうなるのか不安が大きい状況でしたね。

またAタイプにおいてもBBで300枚取れる5号機が一部を除き撤去となり、ベースが上がりボーナスの枚数が減った6号機のみとなりました。
ホール様としてもプレイヤーとしてもとにかく不安が募る、今年はそんな幕開けだったかと思います。

6.5号機の申請受付開始
そんな中、1月より6.5号機の申請受付が開始となりました。
開発では昨年後半から開発中の機械を6.5号機仕様に作り替えており、最速での販売を目指して申請に持ち込むメーカーさんが多かったのではないかと思います。

これまでの機械と比べてスペックもゲーム性も大きく向上することが分かっていましたので、一刻も早く6.5号機を市場に送り届けたいと開発関係者は皆考えていたのではないでしょうか。

1月〜3月の注目機種
この時期に販売された機種のMVPはやはり番長ZEROでしょう!
スマスロ鏡の登場でお役御免となった印象もありますが、1年近く稼働貢献してくれました。
開発では阿頼耶識モードを搭載した聖闘士星矢に注目しましたが、やはり稼働は鳴かず飛ばずでした。。。

一方、有利区間をまたいで出玉に期待できるアラジンが稼働してくれました。クラシックシリーズの演出も我々世代には刺さりましたね。
また、5号機末期の稼働を牽引していたディスクアップが撤去されることもあり、そのタイミングに合わせてディスクアップ2マッピーなど技術介入系機種も導入されました。ディスクアップ2は台数もしっかり入り、6号機になっても定番機種の立ち位置を確立しているのではないかなと思います。

2022年4月〜6月

6.5号機適合、導入開始
1月から申請受付が開始された6.5号機ですが、早くも適合の情報が出始めたのがこのタイミングでした。
6月にキャッツアイとシリウスが導入されていきましたが、キャッツアイは仕様的にはほぼ6.2号機でそのメリットは感じられず。シリウスは台数が少なく話題にもならない・・・という状況でしたね。
この時点では皆様6.5号機がそんなに良いとは感じられていなかったことでしょう。

スマスロの申請受付開始
コンプリート機能の基準が整備されたことにより、4月より販売可能なスマスロの申請受付が開始されることとなりました。
詳しくは過去の記事(「【解説】技術上の規格解釈基準改正」はこちら)をご参照ください。

スマスロについてはユニットの部品不足などの問題もあり、このタイミングでは本当に今年から導入が出来るのかまだ半信半疑の状況だったかと思います。

4月〜6月の注目機種
この時期の隠れたMVPはこのすばではないでしょうか!
あまり大きな話題にはなっておりませんが、稼働貢献は36週を超えておりまさに素晴らしい結果ではないかなと思います。

この時期は後に本格的な6.5号機の導入を控え、その他めぼしい機種はあまり無い印象でした。

2022年7月〜9月

6.5号機本格導入
7月より、いよいよ6.5号機の本格導入が始まりました。
第一弾機種の予想や導入後評価は個別に記事を書かせていただきましたので興味があればご覧いただければと思います。

犬夜叉の荒波スペックが大きな話題となり、カバネリやアクエリオンのゲーム性やバランスの良いスペックも支持され、パチスロ復興の兆しを感じられた方も多かったのではないでしょうか。

その後も鬼武者や黄門ちゃまなど、各社の6.5号機が続々と登場してきて市場が徐々に盛り上がってくるのを感じた時期でした。

7〜9月の注目機種
この時期販売機種のMVPは、やはりカバネリということになるでしょう。
スマスロが導入されても稼働は垂れることなく続いており、すっかり定番機種として位置付けられております。また増産の予定もあるとのことで、まだまだ貢献は続きそうですね。

他にも、一撃のある荒波スペックで一部のファンを虜にした犬夜叉やバランスの良いスペックと秀逸な演出でカバネリに次ぐ稼働をキープしている鬼武者など、6.5号機序盤はとても豊作だったと言えるのではないかと思います。

2022年10月〜12月

スマスロ導入
そして、今年一番のトピックスと言っても過言ではないスマスロの導入が11月に始まりました。
ユニットの入替も必要で新たなハードとなり業界関係者皆様不安もあったと思いますが、ユニットのロケテストでしっかり確認していたこともあり、大きなトラブルなく開店出来て開発としても一安心だったかと思います。

スマスロのスペックの高さは想像以上で、SNSでトレンド入りするほど盛り上がりましたね!
6.5号機導入時以上の反響で、近年稀に見る盛況だったと言えるのではないでしょうか。

10月〜12月の注目機種
この時期のMVPは何と言ってもヴァルヴレイヴかと思います!
スマスロ第一弾にしてその圧倒的な射幸性で、刃牙と共に話題を独占しましたね。
また、そのヴァルヴレイヴ以上の初動を記録したについても今後の動向を注視したいところです。

稼働面で言えば、射幸性の犬夜叉よりバランスのカバネリが長期稼働を続けているように、ヴァルヴレイヴよりも鏡の方が長期稼働に期待出来るのではないかと個人的には考えております。

ということで、開発目線での2022年振り返りをお届けしました。
今年は6.5号機、スマスロの登場で風向きが大きく変わった一年でしたね。
過去の記事でも書かせていただきましたが、内規の緩和については現状でひと段落、ここから先はその中でどれだけヒット機種が出てくるかということになってくるかと思います。

現状の内規の中でドンドン成熟していくであろう来年は今年以上のヒット機種が出てくると思っていますし、自分もより稼働する機械を送り出せるよう、来年も引き続き開発に取り組んで行きたいと思います!

最後に、今年も一年、誠にありがとうございました。
どうぞ皆様、良いお年をお迎えください。